第4話「食卓はいつも通りで」

 アルバイト中に怪我をしそうになった。


 牛丼をこぼして膝にかけてしまったがいっさい火傷しなかった。


 そんなことがあり、帰りにスクラッチを買ったら一万円が当たった。


 どうやら慈愛の指輪の効果はなかなかに高いようだ。


 なおバイト中は指輪をするわけにいかないのでカード状態でポケットに入れといても効果はあるようだ。


 バイトから帰って来て、コーヒー牛乳をがぶ飲みしてお風呂に入ってまた牛乳を飲み干す。


 ビールを1本開ける。


 ゴクリと一口喉を潤す。


 あぁ~~~風呂上がりの1杯は格別だ。なんでビールってこんなに美味しいんだろ。ク~最高だわ。


 晩御飯は持ち帰りの牛丼とスーパーで買ったたこわさとお刺身に味噌煮込みうどんを作った。

 後犯罪的に旨い出来合いのナポリタンにとんかつと少しだけ高い日本酒とおまけの母親手作りのクリームシチューを頂いた。


 母さんは今どき珍しく専業主婦で父の帰りを待っている。

 俺は爺ちゃんと婆ちゃんと母さんと父の5人で食卓を囲んでいる。


 俺より上の姉は独り立ちして今は家を出ている。

 姉ちゃんは東京で看護師をしている。


 うちの中では異常に頭がキレるので頼りにしているが、凄く性格が厳しい。


「天器? お仕事順調?」


「大丈夫だよ、母さん。順調だよ。凄く上手くいってる」


「あら良かったじゃない。お母さん不安だったのよ。天器が最近暗そうにしているように見えて、また落ち込んでいるんじゃないかと思って」


「仕事順調なのか……ならいいが」


 親父はあまり俺に何も言ってこない。だけど普通にテレビを見つつ、飯を食べながら母さんの話しを聞いているから、母さんのことは信用している。


 爺ちゃんと婆ちゃんは二人で美味しそうにご飯を食べていた。


「婆さんしょうゆ」


「爺さんしょうゆはすぐ横にあるじゃないですか」


 食卓はいつも通りだった。



 その後自室でガチャマシンを見る。


 とりあえずガチャを回したらカードが出てきた。SR


『武器カード 合成の剣』


 剣だとおおっ。俺は初の武器カードを手にした。


 そして実体化したら問題が起きた。


 それは玩具(おもちゃ)だった。つまりどういうことだってばよ……


 剣の形のした少し小さい玩具だ。


 仮面をつけたバイク乗りのヒーローが使う剣より少し小さい感じだ。


 子供用って感じだ。

 

 そんな剣が今手元にある。


 丁重なボタンがついており押すと剣の刀身が光る。うえになんかカードを入れる挿入口がある。


 まさかこの穴にガチャで出たカードを入れたら本物の武器になるとかじゃないよな試しに昨日出た中級薬草のカードを入れてみた。


 すると武器が凄い音を出すが近所迷惑にならない程度だがでギミックが変わる。


 そして刀身が緑色に変わって青色に変わる。


 そしてカードが出てくる。


 カードが変化している。ハイポーション×2と出てきた。


 これはまさかのあれか……説明文には体力を回復させるだけではなく、女なら僅かに美貌をアップさせ、男なら精力が上がり逞しさがあがる効果がある。と書いてある。


 これは結構いいものではないのか?


 試しに一本飲んでみたらなんかエナドリみたいな味だな……でもかなり元気が出るかんじだ。


 そして今日はもう寝た。


 明日一応このハイポーションを持っていくとするか。


 まさか職場でこんなプチ事件が起きるとはこのときの俺は知るよしもなかったのである。

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