第39話 一時停泊
あれから近場の客船に乗り移った私達は、数時間ほど乗っけて貰ってから、ザクセンという街に一時下ろされた。次の船を待つと言う訳だ。せっかくなのでミラと私の2人は観光をしていくことにした。
ミラはある建物を見て不思議そうにしている。
「ん?どしたの?」
「あ、いやこのパスタって何なのかと思って」
「え?パスタ食べたこと無いの?あんなに美味しいのに!?行きましょ行きましょ」
2人はおいしいパスタを堪能した。
「いや~こんなおいしいものが沢山あるとは」
「でしょ~」
「ミカマートのコンビニにも、おいしいものが沢山あるのかい?」
「う、うんまあね」
「早くその計画、進めたいな。人の為になることは推進すべきだ」
ミラはまっすぐな人だ。
「あ、あとやってみたいことがあるんだ」
「なになに?」
「ダンジョン攻略」
「ダンジョン?」
その言葉を聞いた瞬間、過去の記憶がグイと蘇って来た。
「私、一時期ダンジョンに潜ってた時があったのよ!レベルも結構あるんだから!」
「ホントかい?そりゃすごいや、早速行こうよダンジョン」
しかし仮にも王子である。危険な目に遭わすことができるだろうか。
いや、その時は私が守るしかない!
「いきましょ、ダンジョン」
こうして2人は近場にあるダンジョンへと入って行ったのだった。
ピチョン、と水の滴る音が鳴る。それ以外は不気味なくらい静かだ。2人とも緊張の面持ちでまっすぐ歩いてゆく。しばらくは敵が来なかったが、やがて敵影が現れた。
ジョーカー6体だ!なんで1階にこんなハイレベルな敵が!
「ミラ!こいつは首を跳ねて来るから気を付け…」
そう言った途端、ジョーカーは素早い動きで私の首を跳ねた!
ミラの声も一瞬で遠くなり暗闇へと落ちて行った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
暗闇を落下している。それはどこまでも続くかに思えた。悔しさと絶望、そんな感情がルーレットのように回り出す。
やがて全面に大きな老人の姿が現れた。
「私の事がわかるかね?」
「…神ですか?」
「まぁ簡単に言えばそうじゃろうかのう」
老人は呑気にそう答えた。
「悔しかろうて、悔しかろうて。もうすぐ王妃になる前にこんなことになって」
「王妃…?」
「じゃから、お主にチャンスをやろうと思ってな。時の巻き戻りじゃ」
「過去に戻るんですか…?」
「お前だけがな、果たしてお主は再びミラと出会うまでいけるじゃろうか。ミラと出会った時に透明は剥がれる」
「透明って…いったいどんな意味なんですか」
「健闘を祈る」
突如竜巻のような疾風が巻き起こり、私は巻き込まれてしまった。
気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。
その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
「…それは何かのテストかな?」
そう言うとキツネは瓶に口をつけた。
「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」
「ちょっと待って下さい!」
「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」
何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。
「儲け話、あります!」
キツネからはじめて笑顔が消えた。
「ほう…聞こうか」
「不便な場所に、コンビニを開店するんです」
「コンビニ?なにかねそれは」
「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」
「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。
その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
「…それは何かのテストかな?」
そう言うとキツネは瓶に口をつけた。
「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」
「ちょっと待って下さい!」
「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」
何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。
「儲け話、あります!」
キツネからはじめて笑顔が消えた。
「ほう…聞こうか」
「不便な場所に、コンビニを開店するんです」
「コンビニ?なにかねそれは」
「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」
「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。
その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
「…それは何かのテストかな?」
そう言うとキツネは瓶に口をつけた。
「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」
「ちょっと待って下さい!」
「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」
何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。
「儲け話、あります!」
キツネからはじめて笑顔が消えた。
「ほう…聞こうか」
「不便な場所に、コンビニを開店するんです」
「コンビニ?なにかねそれは」
「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」
「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
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その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
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「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
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「コンビニ?なにかねそれは」
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「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。
その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
「…それは何かのテストかな?」
そう言うとキツネは瓶に口をつけた。
「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」
「ちょっと待って下さい!」
「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」
何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。
「儲け話、あります!」
キツネからはじめて笑顔が消えた。
「ほう…聞こうか」
「不便な場所に、コンビニを開店するんです」
「コンビニ?なにかねそれは」
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「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。
その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
「…それは何かのテストかな?」
そう言うとキツネは瓶に口をつけた。
「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」
「ちょっと待って下さい!」
「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」
何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。
「儲け話、あります!」
キツネからはじめて笑顔が消えた。
「ほう…聞こうか」
「不便な場所に、コンビニを開店するんです」
「コンビニ?なにかねそれは」
「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」
「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。――――――――――――――――――――――――――――――――――――
気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。
目の前に私がいた。一方私は透明だ。俯瞰でみているような感じだった。
周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。
よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。
その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。
「あの…」
「んん?」
キツネはこちらに気がついたようだ。
「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」
「あの、ここはどこですか?」
「…それは何かのテストかな?」
そう言うとキツネは瓶に口をつけた。
「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」
「イスカンダル…」
どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。
キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。
「あのキツネさん!」
「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」
「ちょっと待って下さい!」
「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」
何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。
「儲け話、あります!」
キツネからはじめて笑顔が消えた。
「ほう…聞こうか」
「不便な場所に、コンビニを開店するんです」
「コンビニ?なにかねそれは」
「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」
「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」
「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」
「コンビニか…ふむ」
キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。
「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」
「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」
キツネはしばしウロウロしながら考えていた。
「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」
それからキツネは加奈の前まで寄って来た。
「私はトッド。君の名は?」
「カナです」
「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」
「わぁ!」
カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。
「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」
「わかりました!」
「じゃあ、そういうことで!」
そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。
絶対にコンビニを成功させなければいけない!
カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。
しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。
「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」
「わぁ!やりますやります!」
こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。
明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。ここからやり直す!そして絶対ミラともう一度出会って見せる!
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