第39話 一時停泊

あれから近場の客船に乗り移った私達は、数時間ほど乗っけて貰ってから、ザクセンという街に一時下ろされた。次の船を待つと言う訳だ。せっかくなのでミラと私の2人は観光をしていくことにした。

ミラはある建物を見て不思議そうにしている。

「ん?どしたの?」

「あ、いやこのパスタって何なのかと思って」

「え?パスタ食べたこと無いの?あんなに美味しいのに!?行きましょ行きましょ」

2人はおいしいパスタを堪能した。

「いや~こんなおいしいものが沢山あるとは」

「でしょ~」

「ミカマートのコンビニにも、おいしいものが沢山あるのかい?」

「う、うんまあね」

「早くその計画、進めたいな。人の為になることは推進すべきだ」

ミラはまっすぐな人だ。

「あ、あとやってみたいことがあるんだ」

「なになに?」

「ダンジョン攻略」

「ダンジョン?」

その言葉を聞いた瞬間、過去の記憶がグイと蘇って来た。

「私、一時期ダンジョンに潜ってた時があったのよ!レベルも結構あるんだから!」

「ホントかい?そりゃすごいや、早速行こうよダンジョン」

しかし仮にも王子である。危険な目に遭わすことができるだろうか。

いや、その時は私が守るしかない!

「いきましょ、ダンジョン」

こうして2人は近場にあるダンジョンへと入って行ったのだった。


ピチョン、と水の滴る音が鳴る。それ以外は不気味なくらい静かだ。2人とも緊張の面持ちでまっすぐ歩いてゆく。しばらくは敵が来なかったが、やがて敵影が現れた。

ジョーカー6体だ!なんで1階にこんなハイレベルな敵が!

「ミラ!こいつは首を跳ねて来るから気を付け…」

そう言った途端、ジョーカーは素早い動きで私の首を跳ねた!

ミラの声も一瞬で遠くなり暗闇へと落ちて行った。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



暗闇を落下している。それはどこまでも続くかに思えた。悔しさと絶望、そんな感情がルーレットのように回り出す。

やがて全面に大きな老人の姿が現れた。

「私の事がわかるかね?」

「…神ですか?」

「まぁ簡単に言えばそうじゃろうかのう」

老人は呑気にそう答えた。

「悔しかろうて、悔しかろうて。もうすぐ王妃になる前にこんなことになって」

「王妃…?」

「じゃから、お主にチャンスをやろうと思ってな。時の巻き戻りじゃ」

「過去に戻るんですか…?」

「お前だけがな、果たしてお主は再びミラと出会うまでいけるじゃろうか。ミラと出会った時に透明は剥がれる」

「透明って…いったいどんな意味なんですか」

「健闘を祈る」

突如竜巻のような疾風が巻き起こり、私は巻き込まれてしまった。


気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。――――――――――――――――――――――――――――――――――――


気がつくと夜の街の外に倒れていた。ただの街じゃない。全てレンガで出来ていて、明らかに現代とは違う奇妙な街だ。なぜ私はここにいるんだろう。

目の前に私がいた。一方私は透明だ。俯瞰でみているような感じだった。

周りを伺っていると、遠くからフラフラと歩いてくる人物(?)がやってきた。

よかった!私は立ち上がり服の埃を払うと、その人に近寄って行った。

その人は人間ではなく、キツネが2本脚で歩いていた!片手には瓶を持っていて、アロハシャツのような服を着ている。

「あの…」

「んん?」

キツネはこちらに気がついたようだ。

「お嬢ちゃんどうしてこんなとこにいるんだい?」

「あの、ここはどこですか?」

「…それは何かのテストかな?」

そう言うとキツネは瓶に口をつけた。

「ここはイスカンダル大陸のセントワ―ル街だよ、お嬢ちゃん」

「イスカンダル…」

どうしてこんな異世界にきてしまったのだろうか。理由は全く理解できないけど現実は受け止めなければならない。

キツネはフラフラと向こうの方へ行こうとしていた。私は慌てて引き留めた。

「あのキツネさん!」

「儲け話はある?ない?…ない?じゃあサヨナラ」

「ちょっと待って下さい!」

「あのねぇ私はこれでも実業家なんだよお嬢ちゃん。早く家に帰って寝たいんだ」

何のあてもない私は、必死にキツネさんに呼びかけた。

「儲け話、あります!」

キツネからはじめて笑顔が消えた。

「ほう…聞こうか」

「不便な場所に、コンビニを開店するんです」

「コンビニ?なにかねそれは」

「小さい場所に、ありとあらゆる色んな商品が並んでるんです。それこそハサミからパンから飲み物、アイス、ホットスナック、雑誌まで色んな物が集まってるんです。不便な場所にあれば、大儲け間違いなしの素敵な商店なんですよ」

「その店を開店、営業した経験はあるのかね?」

「あります!ですからもしキツネさんが本気なら私、手伝います!」

「コンビニか…ふむ」

キツネは持っていた瓶を遠くに投げ捨てた。

「ここは獣人だけじゃないぞ、トカゲ族、ドワーフ、エルフ、人族、色んな人種が入り混じっているんだ。皆が満足するようなお店になるかね?」

「そこは商品の数で決まります。多ければ多いほどニーズにつながります!」

キツネはしばしウロウロしながら考えていた。

「そうだ、ダンジョンの入り口前にあったら便利だなぁ」

それからキツネは加奈の前まで寄って来た。

「私はトッド。君の名は?」

「カナです」

「カナ君、いっちょそれ、やってみようじゃないの」

「わぁ!」

カナはやっと生き返った気持ちになった。偶然生きがいを見つけた。嬉しくてピョンと飛んだ。

「じゃあ明日、綿密な打ち合わせをしよう。この街の真ん中に噴水があって、その前に宿がある。そこで昼に計画を練ろうではないか」

「わかりました!」

「じゃあ、そういうことで!」

そういうとトッドはフラフラと自宅へと戻って行った。


絶対にコンビニを成功させなければいけない!

カナの鼻息は荒かった。こんな異世界でめぐるましく時が動いている。カナは絶対の自信を持って臨むことを決意した。

しかしここで気づいた。お金を1銭も持ってないことに。それでも仕方なく宿屋に向かい、主人に聞いてみた。

「うむ。宿の掃除、食事の手伝い、皿洗いなどするなら1、2日は泊めてやってもよいぞ」

「わぁ!やりますやります!」

こうして首の皮1枚をつなぎながら、何とか生活することに成功していた。

明日のお昼はいわばプレゼンだ。皿洗いをしながら、気合いのアンテナがビンビンと立っているカナなのであった。ここからやり直す!そして絶対ミラともう一度出会って見せる!

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