第26話 ライバル店
夜、ぼーっとしながらカナが雑誌コーナーをパタパタを使って掃除していると、突如忍者ピピンが店内に駆け寄ってきた。
「カナ!やばいニュースっすよ!」
カナは、ほえ?とした表情でピピンに反応した。
「2号店の近くに24時間コンビニのようなものができるという噂っす!」
これにはさすがのカナも敏感に反応した。
「なんですって!?」
カナはしばらく沈黙してから、店長室に静かに入って行った。しばらくピピンは待っていたがやがてやってきたカナは、ダンジョンの装備に身をまとっていた。
「ピピン、ライバル店の殲滅を手伝ってちょうだい」
「え、破壊するんすか?わくわくするっすね」
2人はロボットに業務を任せ、店を後にした。
「確かなんでしょうね」
「間違いないっす。今日の昼聞いたんすから」
「さすがに今ライバル店を建てられると困るのよね」
2人は2号店に辿り着いた。
「で、どこらへんにあるのその店は」
「…たしかこっちのほうだったはずっす」
2人は歩き出した。
15分ほど歩いていると、明かりが見えた。たしかに2号店にかなり近い場所にある。3、4人の土方が笑いながら叫んでいる。
「じゃあ、いくわよ」
「うす」
2人は男たちに駆け寄った!忍者ピピンが麻痺の吹き矢を連射した。男たちに命中する。その後カナがファイヤーの呪文で男たちを煤にした。今度は建物にファイヤーで火を付ける。あっという間に作りかけの建物は燃え盛った。
炎を背に2人は、
「これでもう建てようとは思わないでしょ」
「こりたでしょうからね」
2人は安心して1号店に戻った。
もう2度と建てられまい、とその時は思った。
その数日後である。
「カナ!あいつらまた建設してるっすよ!」
「何ですって?懲りてないか…」
「しかも警備を固めてるって話っす」
「むむ…」
カナはうなったあと、
「もうあの人に頼むしかないです!」
「ライバル店の壊滅?」
ハイエルフはコンビニで首を傾げた。
「私ら2人とアナタでなんとかやっつけたいんです。どうかお力を…」
「いいけど大金貨もらうわよ」
「けっこうでございます」
3人で弓筒を持ち、再びライバル店に向かう。
確かに魔法使いのローブを被った男やドワーフが警備に当たっていた。
ギリギリまで近寄って、エルフは弓矢の猛射で見えている男たちを倒した。
「なんだなんだ?」
残りの男達が顔を出すごとに、エルフの弓矢の餌食となった。
そのスキに再び建物にファイヤーをお見舞いし、すべてを焼き尽くした。
「ありがとうございます!」
大金貨を受け取ったエルフは、
「お安い御用よ」
と言って1号店のダンジョンに消えて行った。これでさすがに建てる事はあきらめるだろう。まだ完全に安全なわけではないが、一種の爽快感を感じたのであった。
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