第9話 早起き
今日は変に早く起きてしまったので、少し早めにコンビニに出勤することにした。
すると、コンビニ前に、すでにエルフの弓矢が納品されていた。今日もダンジョンに行くのだろうか。トッドさんもすでに来ていて、周辺をウロウロしていた。
「あ、カナ今日は早いんだね」
「あのー今日はダンジョンに行っていいですか?」
「今日はバイトをしごくから別に構わないよ」
やった!これでレベルがあがる!エルフが今日来ればの話だが。
盗賊のピピンがコンビニに入って来た。
「おはよー」
ピピンはバナナミルクを取って来た。
「あれ?コーヒーミルクじゃないの?」
「ちょっと味変え。それより、昨日結構レベルが上がったよ!もちろんエルフお陰だけどね!ちょっとカナは出遅れちゃったね!」
「そうなんだ…」
私だって早くレベルは上げたいし、ねずみ男みたいな恰好から卒業したい事は感じていた。すべてはエルフにかかっている。
「それとね…これはあくまで噂なんだけど」
「なになに?」
「あのエルフ、レベル100らしいかもしれないんだ」
「ええっ!?何でそんなのが私達に協力してるん?」
「全く分からないよ。さっぱりさ」
そこへ戦士エールとヒーラーが現わられたので、今日は間違いなくダンジョンの日だろう。
「炭酸水買ってくぜ!」
「ミルクをいただきます」
あとはエルフが来るのを待つだけだ。と、ツカツカとエルフが早速やってきた。
「あら、今日はカナもダンジョンに来るの?」
「ええ、一緒にお供しようと思って」
「そう」
「じゃあ皆弓筒を担いでね」
「早速いきましょうか」
5人は2階への階段へ向かって歩いてゆき、そのまま2階への階段へとおりていった。
「魔法使いはとにかくはじめはテレポのスキルを取ってね。歩いていくのだるいから」
青い壁の2階に来た。
「昨日も言ったように、敵の種族は関係ない。人数だけが分かれば弓で仕留めるからよろしく」
ヒーラーがトーチを掲げ、歩いて行く。そのうち影が見えてくる。
「敵影発見、人数不明、もう少し前に行きます」
もう少しヒーラーが近づくと、
「4名です!」
エルフは4連射していっぺんに4人を倒してしまった。
「その調子で行ってちょうだい」
私のレベルがあがる。魔力に振り込む。
「敵影発見、1名です」
エルフは1発弓矢を撃ち倒す。途端に全員のレベルが上がった。どうしたことだ!?
「ああ、レアボスだったみたいね」
レアボスも1発で倒す所をみると、「レベル100説」もあながち嘘でもないように思える。それから弓矢が無くなるまで2時間はレベルを上げた。帰りに勇気を出してエルフに聞いてみた。
「あの…エルフさんレベル100っていう噂があるんですけど本当ですか?」
「誰が言ったのそんな事」
「ピピンです」
「あの軽口…」
エルフはしばらく沈黙していた。やっぱり聞くべきじゃなかっただろうか。
「隠して置けばよかった…確かに私はレベル100よ」
エルフはあっさりと言った。
「なんでわたしなんかのところに…」
「訳は今は教えないわ。内緒よ」
それ以上エルフは何も言わなかった。私もそれ以上つっこむ事はなかった。
それにしてもレベル100がどうしてこんな場所に…。でもハイエルフは1700歳くらいのはず。レベル100なんてどうという事でもないのだろうけど…。
謎にみちたままコンビニに寄り、バナナミルクを飲んでいるピピンをエルフは睨んだので、ピピンは飲み物を吹き出しそうになった。
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