第7話 エルフ
2階の壁は青になっていた。階によって壁の色が違うらしい。
「おい2階きちゃったよ」
「押さないで下さい!」
「トーチを揺らさないで!」
エルフの一喝にヒーラーはピタリと止まった。するとトーチも止まる。
影が数匹見える。全員人型の敵に見えた。
エルフは弓矢を静かに取ると、シュシュシュと3発スマートに発射した。
すると影は全く見えなくなり、ピロリんとレベルのあがる音がした。退治したのだ。
「エルフさん、すごい!」
「もう弓矢がほとんどないわ。あとは肉弾戦でおねがいね」
そういってエルフは髪をかきわけた。
「強いんじゃねぇのか2階は…」
「やってみないとわからないよ…」
トーチの先にまた影が見えた。今度も3体だ。
「今度も人型に見えるけど…もう少し近づきたいかな」
ゆっくりと前に進んで行く。
「オーク、コボルト、ローグだ!!」
エルフが最後の1本をローグに正確に撃ち込む。私はオークにファイアを食らわせるけどあまり効いている感じがしない。戦士エールががむしゃらに敵に向かって行く。
ピピンは毒のデバフをコボルトに吹き矢でかけた。コボルトが戦士に斬りつけていく。ヒーラーが早速ヒールをかける。それでも戦士エールは頭を狙ってめった撃ちにして何とか倒した。私はまたファイアを掛けると、コボルトは焼け死んだ。
「はいはい帰るわよ」
エルフはパンパンと手を鳴らした。
「こんなザコにこんなに時間かけてるようでは話にならないわ。今日はダンジョンを出るわよ」
皆シュンとなっている。やっぱりまだ2階はまだ無理だった。エールはイライラしている。
帰りはみんなコンビニに寄ってはくれなかった。私はコンビニへと入って行った。
中にはちょうどトッドがいて、話しかけて来た。
「ダンジョンはもう終わったのかい?それより客のリクエストが来ているから、メモをしておいてコンビニに発注しておいて」
「はい!」
「まず傘。原価が安いし良い。爆弾おにぎり、あと脂取り紙、経口水、それとエルフの弓矢多め」
「弓矢?」
「とあるエルフのリクエスト、高く売れるところがいい」
ふふっ、私は笑みを浮かべずにはいかなかった。
「リクエストは随時耳を傾けていくよ。じゃあコンビニ店員よろしく」
「はい!」
早速服を着替えて、コンビニの仕事に精を出すのだった。
「そう。」
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