美しく 涼しい(怖い)物語

読んでいて、泉鏡花の薬草取や高野聖のような語りの力を感じました。
学生さんのような先生の人称での語りで、この人の過去や蔵との出会いも追加で描いて欲しい。
△次郎さんがなぜ△家に戻ってきたのか、小さい頃何があったのかなどももっと知りたい。
ふくよかになった白雪の神々しい魅力の描写はもっと欲しい…
あと季節感も。
蔵の小窓から見える景色はどんなだろう。

二人が蔵に閉じ込められて、
でももう出ようとは思ってないので閉じ込められていることにも気づかないような耽溺っぷりももっと詳しく…
おぼろさんの他の作品ではもっと擬音語擬態語が多用されていたように思います。
擬音語擬態語も素敵なのが増えるといいなあ。

生贄は100年に一度咲く花を咲かせるために呼ばれるのかも…
など、妄想が刺激されます。

つまり、この作品が、読者の想像力を刺激しまくる優れた小説だということです。