第21話 家の中が怖いんです。

8/1(月)気温36度

・成瀬家午後18時 秋葉の部屋

「んっ?」

あれ、ここは、、、僕の部屋?僕は確か、彩希ねえに蹴られて、、、そこから思い出せない。けど僕、リビングにいたよね。多分気絶でもしちゃったのかな?あっ、もしかして彩希ねえが運んでくれた?絶対そうだ、彩希ねえは優しいからここまで運んでくれたんだ。もしママに見られてたらもう僕はこの家にはいれない。ママにあんな姿見られていたら僕は恥ずかしすぎてママと喋ることもできないだろう。

「今何時だろ?うわっ、もう18時になっちゃうよ」

あれ、そういえばみんな帰ったのかな。下が静かだ。みんな帰っちゃったんだな。最後に世那さんと夏帆さんにあいさつしたかったなあ。また来るだろうし、とりあえずお腹空いたしリビングに行こ!彩希ねえにはこっそりお礼言っとかないと。

・成瀬家午後18時 リビング

ガチャ

「あ、あら秋葉起きたのね」

「あ、ママ帰ってたんだおかえり」

「う、うん!ただいま」

僕はソファに座っている彩希ねえの近くに行ってそっと耳打ちした。

「彩希ねえ、僕を部屋まで運んでくれてありがとっ」

「え?秋を運んだのはママだけど?」

「・・・え」

「もう一回言った方がいいかしら?」

「お願いします」

僕は彩希ねえの言葉が信じられず、聞き間違いであると信じて、彩希ねえにもう一回お願いした。

「あんたを部屋まで運んだのはママって言ってるんだけど?」

ぜんっぜん聞き間違えじゃないじゃん!もう終わりだ。

「ママ、、、?」

「な、なあに?」

「ママが僕を部屋まで運んでくれたの?」

「そ、そ、そうね」

いや、今思えばママめちゃくちゃ動揺してるし!?

「そう、なんだ、、、ありがとママ」

「、、、気にしないで、」

ママ一瞬固まったよね?もうママの視線が怖い!なんでそんな軽蔑した目をしてるの?、、、ちょっと勃ってきたかも。

「マ、ママ!今日の夜ご飯は?」

「きょ、今日はおそーめんよ」

「やったー!」

「じゃ、じゃあもう準備できてるから食べましょうか」

「はーい」

「彩希も食べましょう」

「うん、ちょっと待ってママ」

ポチポチポチ、、、

「彩希ねえ、何やってるの?」

「あー、大学の友達に遊べる日聞いてるのよ」

「彩希ねえから聞くなんて珍しいね」

「私が友達の家に行くことになったから、行ってもいい日聞いてるのよ」

「へえー」

ピリリリリリリリリ、ピリリリリリリリリ、、、

彩希ねえの着信音が鳴る。

「あっ、もしも~し」

彩希ねえは誰かと会話しているみたいだ。

「、、、で、、、か?」

彩希ねえの携帯から少しだけ相手の声が聞こえてきた。僕は気になってしまい耳を澄ませる。

「明日ならいいぞ、くるか?」

「えっ!?」

僕は自分に言われたことでもないのに声を出してしまった。

「ん?成瀬さんのほかに誰かいるのか?」

「あ~、弟が今なんでか知らないけど急に大きな声出したから多分それだと思うわ」

「成瀬さん、弟がいるのか!?」

電話の相手も何やら大声を出していた。何を言っているのか丸聞こえだ。

「うん、いるけど、、」

「じゃあ、その子もよかったら連れてきてくれないか!?」

「え、弟を?」

「ああ!やりたいことがあるんだ!」

「ま、まあ聞いてみるわ」

「今聞いてみてくれ!」

「今、ですか?」

「ああ、今だ!」

「わかりましたよ」

「秋~、明日大学の友達の家に遊びに行くんだけど来る?」

「うん、行きたい!」

僕は電話相手の人にも聞こえるくらいの声の大きさで言った。

「今聞こえたぞ!じゃあ明日待ってるからな!」

「あっ、ちょっと!」

「なんだ?」

「明日って何時ごろからお邪魔していいんですか?」

「いつでもいいぞ!夜中でも早朝でもいつでも!できれば早めに来てくれると助かる!」

「わかりまし、」

「それじゃ!」

プーップーップーッ

「切れちゃった、、」

「なんかすごい急いでたみたいだね」

「そうね、」

「じゃあ明日は二人ともお友達の家にお邪魔してくるのかしら?」

「そうね、」

「何時くらいに家を出るのかしら?」

「そうねえ、秋はどのくらいに出たいとかある?」

「早く出たい!」

「あんた、張り切りすぎね、、うーん、じゃあ8時でどうかしら?そうすればママと一緒に家を出れるわ!」

「あれ言ってなかったかしら?ママの会社はもう早めに夏休みに入ったからあと一週間は家にいるわよ」

「え!?ママ一週間もお休みなの!?」

「ええ」

「やったー!いつもママがいるのはうれしいな!」

「うれしいこと言ってくれるのね、ありがと」

「うん!ママがいると落ち着くし、お話も好きなだけできるわ!」

まあ僕の場合は、ママがいるとおっぱいに目がいって、全然落ち着かないんですけどね!?

「そうね、ママは明日も家にいるから何かあったら帰ってきなさい」

「うん!」

「じゃあ、秋!明日は早く出るから早く寝なさいよ?」

「そうするつもり!」

「じゃあ、私はお風呂に入ってくるから」

「はーい」

僕は明日のことが楽しみで、お風呂もいつもより早めに出て、歯磨きをしてすぐに寝た。

8/2(火)気温36度

・成瀬家午前8時 玄関

僕は今日は6時に起きて、ついでに彩希ねえも起こして二人で早めに朝食を済ませ、行く準備をして、八時には家を出れるようにしていた。

「じゃあ、行ってくるわね」

「二人とも熱中症とか気を付けてね」

「わかってるわよ」

「もし喉が渇いたら自販機に頼るよ」

「そうね、そうしなさい」

そういうとママは僕と彩希ねえに500円玉を一枚ずつくれた。

「これでジュースでも買いなさい、おつりはあげるから」

「はーい!ありがとママ」

「じゃあ行ってくるね」

「行ってらっしゃい」

ガチャン

「そういえば彩希ねえ」

「ん?」

「今日遊びに行く人って、」

「あー、今日遊びに行くのは博士の家よ」

「博士?」

「ええ、博士」

博士ってなんだ?男の人かな?けど昨日電話越しに声を聴いたときは女の人の声だった気がするけど、、。

「彩希ねえ、その人って女の人?」

「ええ、そうだけど」

あーよかったあ。彩希ねえの大学って女子大学だから男ではないってわかってはいたけど、やっぱり念のため聞いてしまった。けど、女の人かあ。博士っていうくらいだし、背が高くてスラっとしててスタイル抜群の人なんだろうなあ。

「あんた、変なこと考えてない?」

「え?、、、あーっ!な、何でもないよ!」

「そう?私には変な想像しているような顔に見えたけど」

「ち、違うよ!まったく彩希ねえは失礼だなあ!」

「確かに考えすぎかもね、悪かったわ」

「あ、うん」

僕と彩希ねえは途中で飲み物を買い、彩希ねえはジュースを買ったおつりで博士という人のためにもジュースを買っていた。

数分後・・・

「着いたわよ」

「ここが、博士さんの家?」

僕と彩希ねえが着いた先は、家から徒歩10分くらいのアパートだった。

「あれ、この道知ってる」

「まあそうでしょうね」

そう、僕がなぜこの道を知っているのかというとここは僕が高校に通学するときの道だからだ。ちなみに僕の通っている高校は北桜林高校きたおうりんこうこうというところで、今いる場所から2,3分歩いたところにある。

ピンポーン

「はあーい」

家の中から声がした。。

「博士~、彩希ですけど」

「ちょっと待ってろ、今開ける」

インターホン越しに声が聞こえた。

ガチャ

「おはよう、博士!」

「成瀬さん、おはよう、、、それと君は、弟君か」

「は、はい、、、え?」

「なんだ、私に何かついているか?」

「いや~、そういうわけじゃ、、、」

「じゃあなんだ?」

僕は博士と思わしき人物を上から下までまで見た。決してエッチな目では見てないが!なぜ僕が上から下まで見ているかというと、、背が僕よりも低い!身長は140㎝くらいだろうか。容姿をまとめると、身長は145㎝前後、白髪で長髪、胸はぺったんこ、目はジト目で夏なのに白い白衣を着ている。なんでこの子!?お医者さんに憧れてる可愛い子供にしか見えん!

「彩希ねえ、ほんとにこの人が博士?」

「そうよ」

「おい、聞こえているぞ」

「あっ」

「私は君よりも年上のお姉さんだぞ?」

「お姉さん?その身長で?」

「身長は、、まだ成長期が来ていないからな!、、多分」

「いや、絶対きてますって」

「もう!そんなことより!私が博士に見えないだと?」

博士という人はほっぺたをむぅーっと膨らませた。

「もう博士、怒らないでくださいよ!可愛いですね、まったく!」

そういうと彩希ねえは博士に抱きついた。

「んっ、んーっ!んんー-っ!」

「博士さん何か言ってますよ?」

そういうと彩希ねえは抱きつくのをやめた。

「はあーっ!成瀬さんの胸で窒息死するところでした」

「なっ///ちっ、窒息死ってそんな大げさな」

「大げさなんかじゃないですよ、彩希さんのその胸!どうにかならないのか?そんなに男を誘惑したいのか?」

「違うわよ!///」

「まあ何でもいいが、あがってくれ」

「おじゃましまーす!」

いや、彩希ねえ気分の変わる速度すごいな。

「おじゃましまーす」

僕は家に上がって、彩希ねえと博士さんの後を追った。

ガチャ

「ここが私の部屋だ」

「おおー!博士の部屋初めて見た!こんな感じなんだ!」

「なんか、すごいですね」

僕も彩希ねえに続いて部屋に入るとそこには白くて小さいテーブルが一個と椅子、それともう一つL字型の机があった。L字型の机の上にはモニターとパソコン、メモ帳と筆記用具が綺麗に置かれていて、白くて小さいテーブルには銀色のトレーがおかれていた。

「ひっ!」

「どうしたんだ、驚いた声をあげて、何かびっくりするものでもあったか?」

僕は白くて小さいテーブルに置いてあった、銀色のトレーの中身を見てしまった。トレーの中にはメスや注射器、小さいはさみ、それに、、、スタンガンらしきものがそこには綺麗に見やすく並べられていた。

「博士さん、これって、、、」

「ああこれか、実験するときに使う道具だが?」

僕は今日〇ぬかもしれません。もう家に帰ろうかな・・・。

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