こつこつレベル上げ? 周回してレアアイテム? そんなことしなくてもすぐ最強! スキル【リバース】で苦戦しません!
第41話 ユニオンアース教の地下室で女の子を保護します。そして悪い人にお仕置きをする。
第41話 ユニオンアース教の地下室で女の子を保護します。そして悪い人にお仕置きをする。
ユニオンアース教の本部に潜入し、地下室で見たものは……
「ナディア、いい、いいぞ! 何度抱いても飽きないこの体! 素晴らしい肉奴隷だ!!」
「………………」
半裸で激しく腰を打ち付ける太った男と、無表情でそれを受け入れているスラリとした褐色の全裸の幼い少女。
部屋には淫らな匂いで満ちていた。
棚には大人のおもちゃや薬の瓶、注射器などが並んでいる。
とりあえずこの男をサイコバインドで拘束し行為をやめさせる。
当然だが見てて気持ちのいいものじゃない。
「翔、こいつ殺す。すぐ殺す」
玲が間髪いれず言う。
「だめです。ただで殺してはいけません。苦しめてからです」
フランが怖いこと言う。
そうなんだけどこいつが案外キーパーソンだったりするかもしれないだろ。
声には出さないけどそんなことを思いつつ、男を鑑定する。
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サイロ=カウス レベル 488
ジョブ【ハイプリースト】
ユニークスキル【コピーアンドペースト】
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超重要人物だったじゃん。
そして褐色の女の子も鑑定。
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ナディア=サハル レベル11
ジョブ【ヒーラー】
ユニークスキル【広範囲化】
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この子も超重要人物だった。年齢は14歳。
この様子だととてもじゃないけどユニオンアース教に加担しているとは思えない。
目にハイライトないし、桃色の髪はボサボサだし、裸の体は傷だらけで犯されているし、こんな待遇受けるはずがない。
「とりあえず知ってることを吐かせましょう。私に任せて、翔さま」
「え、ああ、うん」
そういうとフランは【ヒュプノステラー】の催眠術をこの男に掛ける。
当然だがフランのほうが遥かにレベルが高いためあっさりと催眠術にかかった男はトロンとした顔になる。
おっさんのトロ顔とか誰得。
「まず服を着て」
「はい」
「この子の服を用意して」
「はい」
傍では解放されたナディアを玲が手当てしている。
回復魔法で傷を治して、水魔法で汚れを洗い流し、風魔法で乾かす。
そのあいだも彼女に反応はなく、ただされるがままだった。
「で、あなたはユニオンアース教でどんな地位にいるの?」
「私は教団の5人いる幹部のうちの1人。3人は今前線で指揮を執っている。あと1人は【ルームマスター】でここの維持管理をしていて教主さまのお側にいる」
「どうしてこの子はこんな扱いを受けているの?」
「ナディアは私が貧しい村からユニークスキルを見出して無理やり連れてきたのだ。私の【コピーアンドペースト】はスキル行使の際に相手の体に触れなければならないが、それを気持ち悪いといって断りおった。だから犯して薬漬けにしてやったのだ。幼くて貧乳も私の好みだったのでな」
「最低……」
玲が蔑むような眼で見ている。
もうちょっと我慢してくれ。
「じゃあこの子はユニオンアース教とは関係ないと?」
「そうだ。ユニークスキルは利用させてもらっているが」
「ユニオンアース教は何を目指しているの?」
「アラブ旧王族による世界の支配だ。魔石エネルギーに取って代わられた電気エネルギーを復活させそのために必要な石油を各国に売りつける。石油製品も復活させる。かつての楽園を取り戻すのだ。露支那ごときにデカい顔はさせぬ」
「各国にダンジョンはあるし、入り口となるゲートも無数にあるわ。どうやって掌握するつもりなの?」
「【ルームマスター】がダンジョン支配を可能になっている。周辺国で実験済みだ。ダンジョンを支配すればゲートからの出入りも許可制にできる。我々のみが魔石エネルギーを利用できるのだ。さすれば万が一石油が枯渇しても体制を維持できる」
「石油を復活させたら昔に解決した環境汚染問題がぶり返すでしょう? それはどうするのよ?」
「そんなものスキルで浄化すればよいではないか。もしくは魔石エネルギーで浄化できるものを作ればよい。我々とて地球が住めなくなっては困る」
「そんな技術が既にあるの?」
「いや、世界を支配した後、モノ作りが得意な国に作らせればよかろう。例えば日本とかな。数に任せて露支那にやらせてもいいがコスパが悪そうだ」
なんて人任せな……。
「本気で世界を掌握できると思っているの?」
「もちろんだ。【トランスペアレント】持ちが殺されてしまったが、現有戦力でも前線を押し上げているのだから戦力を用意しすぎたと思っているくらいだ」
ああ、殺されてたのね。
道理でいないわけだ。
「教団のトップの名前とジョブとスキルを言いなさい」
「主の名はアヴドゥール=サイード。かつてのアラブ王国の正統なる後継者。ジョブは【バトルマスター】、ユニークスキルは【天導星】。【天導星】により自分への共感度を高め、人心を掌握できるのだ」
なんか抽象的なスキルだな。
対処できるんだろうか。
最悪【リバース】でユニスキを消し飛ばせばいいか。
「アヴドゥールは今どこにいるの?」
「おそらく一番奥の部屋にいらっしゃるはず。入るには【ルームマスター】の許可がさらに必要だ」
「翔さま、玲、何か聞きたいことがありますか?」
フランがもう終わったとばかりに僕らに聞いてくる。
「僕はないかな」
「ナディアさんに対して詫びる気はある?」
「なぜだ? あれは私の所有物。道具に対して謝る滑稽な人間はいないだろう?」
玲から殺気とか冷気が漏れてきてるんですが。寒いよ。
もう必要な情報は聞き出したしいいかな。
【リバース】を発動してこいつのユニスキの有無を反転し、【コピーアンドペースト】を失わせた。
玲がこちらをしきりに見てくる。
うん、やっていいよ。
「あの世でナディアに詫び続けなさい! カースオブシヴァ!」
魂まで凍り付かせる恐ろしき氷の呪い。
サイロは全身が氷漬けとなった。
そして、氷がゆっくりと溶けていき、溶けきると同時に死ぬ。
それまでは動けず、しかし意識と冷たい苦痛のみ存在し続け、もちろん全身を覆う氷は外部からの干渉を全く受けない。
さあ、死ぬまで何日かかるかな?
フランが催眠術スキルを解除する。
これで本人からすれば永遠とも思える苦しみが始まる。
おお怖い怖い。
「玲、これで気はすんだ?」
「いまいち。でもこれ以上思いつかない」
「そっか」
さて、ナディアさんをどうしようか。
目がうつろなことを除けばこれまた相当な美少女だ。
褐色の肌は活発さを想起させるのに現状は痛ましい。
「うーん。【広範囲化】のユニーク持ってるから、放っておくとろくなことにならないよね」
「そう。また誰かに利用される」
「村から連れ去ってきた、って言ってましたわね。元の村に返してあげたいところですわ」
「そのためには彼女を正常に戻さなきゃ。いったん僕たちが匿う、ってことでいいかな? それと、ユニークスキルは失くした方がいいと思うんだ。多分【広範囲化】のことは露支那帝国も把握していると思う。だから使い手が生きてるとなれば多分また連れ去られる」
「そうね」
「本人には申し訳ないけれど、それがベストだと思いますわ」
なので、【リバース】を使ってナディアさんのユニークスキルを消去。
そしてテレポートでいったん家に帰って美城さんに事情を説明してしばらく預かってもらうことになった。
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