第4話 再会

今月は、何かついてない気がする。今夜は、たまには一人で飲むかとふらついた。


“ここ、先月来た案内所。流石に、キャンペーンは終わってんだろうな。一応値段だけ、聞いて見るか?”

「すいません。イノ、イノセントパラ?って、案内出来ます?」

「いらっしゃい。イノセントパラダイスですね。もちろん大丈夫ですけど、どんな娘で何分コースでしょ?」

「あの、一応45分で値段だけでもと。」

「ん〜、今だと3人行けて、15000円です。お店連絡してみますね?」

「あー、いやぁ〜」


“何か、押しに弱いよなぁ〜。でも、この間の娘が居たなら、行っても良いかな。何か、急に緊張して来たぞ。”


またも、引かれるまま、イノパラにやって来た。


「いらっしゃいませ。今なら、みゆさんと、ななさんと、あかねさんが入れますよ。どの娘にしましょ?」

「あの〜、ゆうかさんをお願いしたいんですけど、今日はいらっしゃらないですかね?」

「ゆうかさんですと、30分待ちになりますね。どう致しましょ?」

「じゃあ、全然待ってます。ゆうかさんでお願いします」


“なんだかんだ、あの娘に逢いたかったんじゃ無いのか? この待ってる間がたまらなくドキドキする。ほんと、心臓に悪いわ!”


暫くして、薄暗い廊下に通されると、あの娘が待っていた。


「田中さん、約束通り来てくれたんですね。嬉しいです」


手を引かれながら、誰にでも言ってそうな言葉を掛けられ、部屋に入った。


「約束したのに、だいぶ空いちゃったね。ごめん。」

「いえ、来てくれただけで、嬉しいです。ほんとに逢いたかったから」


社交辞令でも、こんな可愛い娘に言われると嬉しさが込み上げて来て、テンションは上がりっぱなしだった。

「ゆうかちゃん、って呼んで良いかな?名前覚えててくれたんだね。おぢさん嬉しいよ」

「おぢさんだなんて、田中さんは田中さんで、おぢさんじゃないですよ。」

「ああ、ありがとう」


「じゃあ、シャワー行きましょ。脱がしてあげる」


そう言って、俺の服を脱がし始めた。今日は、この娘に委ねよう。そんな気持ちになって、なすがままだった。


「やだぁ〜、もうこんなに元気になってる。」

「そそりゃ、ゆうかちゃんに見惚れちゃっうから、仕方ないよ!」

“よし、今日は攻めちゃうぞ!” 意気込んで、久しぶりに頑張ってみた。


「あー、いっちゃった。恥ずかしい」

“俺なんかで、感じてくれたのかな? きっと演技だろう。でも、何か嬉しい”


「じゃあ、今度は私がしてあげる」

“何か、する事、言うこと全てが、優しいんだよな、この娘”

そして、ここから今回も身を委ねてしまった。


「ああ、ありがとう。ほんとありがとう。気持ち良すぎて、立ち上がれないよ」

「私も、とっても気持ち良かったです。シャワー行けそうですか?」

「ああ、復活!シャワー行こう」


シャワーでのサービスも、優しさに溢れていて、再び元気になってしまった。

「ゆうかちゃん、色々してくれる一つ一つに優しさにが感じられるよね。」

「えー、そんな事無いですよ。でも、そう感じてくれるなら、二人の相性が良いって事ですね。」


俺は、ノックアウトされた。相性が良いなんて言われたことは、きっと初めてである。

言葉は、時には何にも替え難い宝物になるのだ。この店に来るまでのモヤモヤも吹っ飛んでいた。


「今日もありがとう。次は、もっと早く来るよ!」

「きっとですよ、約束。約束は、」

「守るからするもので、破るものじゃ無い だよね!」

「あー、覚えてる」

「あったりまえじゃん」


天にも登るテンションで、別れを惜しんで、店を出た。

「ほんと、奇跡の風俗嬢だな。」

そんな言葉が、口から溢れ出たのだった。

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