第10話 可愛い女の子vs親衛隊(男の子)

「お〜い!順平せんぱ〜い!」

この声をこれから、毎日聞けるのかぁ。

……父さんのことも忘れられそうだ。


「おはよう。」

「おはようございます!

……なんだか照れちゃいますね。」


可愛いなぁ、こんな子が俺の彼女かぁ。


すると、

「彼女、彼氏ですし、これくらい良いですよね?」

と、言いながら俺の手を握って来た。


…これを断れるやつはいない(確信)


だが、俺達の関係を知らないやつらは

「「「「「えーーー!!!」」」」」

と、驚くだけだった。


「やっぱ、結衣はモテるなぁ。」

「え、皆んなの目当ては順平先輩ですよ。」

「その嘘いつまで……」


言葉を言い切る前に俺達に声をかけてくる生徒が1人いた。


「僕は、一年生の田沼一樹です!

……先輩は、もしかして、そちらの方と付き合ってらっしゃるんですか?」


ほら、やっぱりいた。結衣目当ての子が。


「うん、そうだよ。」

俺が答えた。俺が答えたかった、結衣の彼氏として。


「………。」

男の子は何も言えずに黙ってしまった。


それに対して、結衣は

「田沼さん、あなたはもしかして、好きだったんですか?」


その問いかけに対して、

田沼君は、うんうんと、首を振るだけだった。


「……そうですか。

こんなことを言うの何ですが、あなたは諦めがつきますか?」


「出来な…いと、思い……ま…す。」


そうか、でも、俺も今、結衣を諦めろと言われても、無理としか言えない。


「…分かりました。あなただけ、特別にハグくらいわ許します。」


「いや!ちょっと待て、結衣本当に良いのか!?」

俺は嫌だぞ!


「…先輩、それくらい我慢してください。」

結衣はそう言って、俺にやり場のない怒りを乗せて睨む。


……結衣が決めたなら、仕方ない。

結衣に嫌われたくない。

そう思ってしまうくらい、俺は結衣を手放せれないんだろ。


(尻に敷かれる人生かなぁ。)


「分かった、大丈夫だよ。」

そう言った瞬間、周りがガヤガヤし始めた。


(それでも、あまり結衣にハグをして欲しくない……。)

これ、独占欲以外の問題じゃない?


そうこうしていると、田沼君が走って来た。

目を瞑っておこう

あまり、結衣が他の男とハグをしているのを見たくない。


そして、田沼君は『俺を』離さないと言わんばがりに、ハグをした。


ん?なんでこうなったんだ?

お前、結衣狙いじゃないのか!?








久しぶりの投稿です。

是非、コメントも頂けると幸いです。


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後輩にお持ち帰りされた俺。え、なんで後輩は謝るの? WOULDYOU @dottisotti

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