第20話 例えば……

例えば私がこんな話をしたとしましょう。

「最近、家の周りのセミがあんまりうるさく鳴くから、沢山捕まえて羽を取り、佃煮にして食べちゃった!」

誰もが信じないこの話を信じてしまう人がいるのです。

『美味しかったですか?』

「まぁまぁね、今度持って来ましょうか?」

『はい、お願いします』ってね。


ある時、君が言いました。

『大丈夫?』

えっ?何かしら?あぁ、さっき投稿した小説のことね。だから、私は

「大丈夫よ!小説の私は、大丈夫じゃないけど私は大丈夫」ってね。


ある時、君が言いました。

『それは、僕のこと?』

ん?あぁ、あれね。誰かをディスったあの小説のことね。

「ノンノン、それは別の人」

まるで磁石のように何でも自分にくっ付けてしまうのは、真っ直ぐで素直な人だから。


それは、今時、希少で貴重で尊いもの。

なので私は、君を【絶滅危惧種特別天然記念物】に認定した。


そして、思う。

外の世界では、怖い鬼が沢山いるから、

どうか、騙されないで欲しいなと。


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