第24話 結局は頼まれるわけですよ、分かっていましたよ、ええ

国道を東の道に逸れてから五日、私たちは土の壁に開いたあなぐらの中で夕食を終えた。


丁度良く獣が昔使った広めの巣穴があったから、ありがたく活用させてもらっている。


「ちょっとトイレ」


アレンは穴の外に出て、茂みの奥へと遠ざかっていく。

別にわざわざトイレ宣言してから行かなくてもいいのに、アレンはいちいち宣言してから出ていく。


夕食も食べ終えてあとはやることもないから私もついでに外に出て星空を眺めた。今日は晴れたから星がよく見える。


こういう星の位置で方角が分かったら旅の役に立ちそうと思うけれど、こんな大量の星空から位置を知るための星なんて見つけられそうにない。


「なんだ、エリーも便所か」

「違う!星を見てるの!」


噛みつく勢いでサードに言い返す。

この前古城でトイレについてもらって以降、サードは度々こうやって人をイラつかせにかかってくる。


「星の位置とかで方角が分かるとかいうでしょ?それで分かればいいなーって思っただけ!」


「星の位置なあ」


サードも穴から出てきて空を眺める。


「ここの空の星の位置なんてわかんねえからな」


あら意外、と私はサードを見る。


「サードなら知ってると思ってた」


「俺の生まれた所の星の位置なら頭に叩き込んだけどな。こっちにゃ正確な地図がそこらで売ってんだから無理に覚える必要もねえ」


サードの生まれ故郷の話は、泥棒みたいなストールの巻き方は伝統的なもの、ということ以外ろくに聞いたことがない。

サードの昔の話が聞けるかと思って聞いてみた。


「サードの生まれ故郷ってどういう所なの?」


サードはしばらく黙り込んで、スッと私に視線を向ける。


「出稼ぎに次いで病人、罪人、死人、娼婦が多い所だ」


巣穴から漏れる炎に映し出されたサードの顔は、これ以上そんな話を聞きたいか?という顔つきで笑っている。


その言い方と表情に私は口をつぐんで、星空に視線を戻した。


サードは元々泥棒だったに違いないといつも思ってたけど、本当にサードの生まれ故郷とか生い立ちって私が思った通りの劣悪れつあくなものだったのかも…。


「ただいまー」


少し気まずくなったタイミングでアレンが草をかき分け戻ってきた。


「ねえアレン。アレンは星空で方角とか分かる?」


話題を逸らすため話しかけると、アレンはもちろん!と答える。


「もし海のど真ん中とか砂漠地で迷子になった時は星を覚えておいた方が良いって言われたから覚えといたよ。今はちょっと木が邪魔で見えないけど、あっちの方角にある星が中心の星で北…」


アレンが空に向かって指さした瞬間、強風が近づいて来るようなザワザワとしたうねりが森を駆け巡る音が聞こえる。


と、風が一気に吹き抜けるようなヒュオオ…という音が近づいて来た。


「火消せ!」


サードがそう言いながら巣穴の中に灯っているたき火を消しにかかって、私とアレンも同じタイミングで周りの土を手で掘り起こして火にかけて消した。


真っ暗な闇の中、チラチラとこぼれる火の明かりは格好の的になるからだ。


私たちは消えた火の匂いのする巣穴の中でじっと動かずに近づいて来る風の音に耳をすます。


ゴッ


すぐ真上を風が通過した。


「わっぷ!」


巣穴の中にも風の力で外の落ち葉や枯れ枝が入り込んできて、目を強く閉じる。


顔に飛んできた細かいゴミを払い目を開けると、強風で大きくしなった樹齢何十年もの木々の枝が元に戻りつつあり、サードが巣穴の外に出て何かが通過していった先に目を向けている。


私もアレンも今のが何なのか気になるから巣穴から顔を出して、サードと同じ方向に顔を向ける。


星はよく見えるけど、空と地面の中間地点となると暗くてよく見えない。


「…もしかしてあれがドラゴンか?」


サードが目を細めながら呟く。


「えっ、ドラゴン?」

「どこどこ!?」


私とアレンが色めきだって外に飛び出してサードの目の向けている方向を見るけど、サードは興味を無くしたように巣穴の中に戻っていった。


「もう見えねえよ。あっという間に消えやがった」


と言いながらもう一度火をつけようと火種に火をつける。私とアレンも巣穴の中にもどり、


「けどドラゴンって西の方に居るって言ってたわよね?こっち東でしょ?」


「東に引っ越してきたのかな」

「引っ越しって…」


アレンは真面目な顔で変なことを言うから私は何言ってるのよという声で軽く呟く。

そんな引っ越しをするドラゴンなんて聞いたことが無い。


するとアレンがキラキラした目でサードに問いかけた。


「ところでドラゴンってどんなのだった?」


ドラゴンは子供ですら知っているぐらい有名なモンスターだけど、実際に目にする機会なんてないから見れただけでもとてつもなくラッキーだ。


「出会ったら幸運だがその場で死ぬと思え」と大昔から語り継がれるほど皆の憧れで、恐れられている存在。


それがドラゴンだ。


ドラゴンはどうだったというアレンの言葉にサードは火が完全についたのを確認しながら素っ気なく返す。


「暗えし速えし木が邪魔でろくに見えなかった」


ありのままの言葉なのだろうけど、アレンはつまらなそうに口を尖らせる。


「せっかく見れたのになぁー。サード残念だったなぁ」


火をつけたサードは、火のついてない薪(たきぎ)をアレンの頬にグニッと押し付けた。


「え、なに」


サードは不機嫌そうな顔をしてアレンの頬にぐりぐりと薪を押しつける。


「安心しろよ、お前だってじっくりとドラゴンが見れるぜ」


「え、なんで」


イデデと言いながらアレンが聞くと、サードの怒りのこもったぐりぐりが強くなる。


「なんせわざわざ避けるように東にきたのに、あのドラゴン野郎、わざわざこっちの方に来やがったからな。あと一週間も歩けば隣の国に抜ける国境越えの関所があったんだけどよ、きっとそこで待ち構えてる兵士が俺たちを引き留めるだろうよ。

あの野郎が西の方にいたらこっち側の兵士も止めもしねえだろうと踏んだのに、東の方に来ちまったからな、あのドラゴン野郎」


この国から隣の国へ行くにはいくつかのルートがある。


まずは国道の一番大きい道。

そして今私たちが歩いる、やや上級者向けのルートの東の道。少し強いモンスターが出るみたいだけど、私たちからしてみたらそうでもない。

あとは西の方へ行く道。昔はこの道が主流だったみたいだけど、国道ができてからはあまり使われていないみたい。


そこのそれぞれの三つのポイントで隣の国境へ越えるための審査があるけど、ドラゴンが出た西側の反対、東から抜ければドラゴンを征伐してほしいと声をかけられる確率は低いと思ってたサードだけど…。


サードが思っていた嫌な予感は的中した。


「お願いします西側に居たドラゴンが東側にきて、村の人々を人質にして立てこもっているそうなんです。

昨日仲間の一人を城へ走らせ援軍を頼んだのですが国の衛兵たちが来るのはもっと先になるはずです。どうか、どうか勇者御一行のお力をお貸しください!我々の人数ではどうにもできません!」


国境を越えの審査をする場所で、私たちの姿を見つけた兵士たちが駆け寄って来て膝をついて手を合わせて私たちを下から見上げた。


国の兵士としての誇りはないのかしらと思えるほどの泣きそうな顔に少し呆れつつ、助けを求められたなら手助けした方が良いんじゃないのとアレンを見るけど、アレンは、えー…、という嫌そうな顔をして黙っている。


でも表向きの顔を掲(かか)げて微笑んでいるサードは何て言うかしら。


チラッとサードを見ると、サードはどこか別次元に意識が飛んでいるような微笑みを見せながら口を開いた。


「お任せください、私たちでどこまでできるか分かりませんが、やってみましょう」


* * *


「ッハァ~~~…」


珍しくサードがしゃがみ込んで深いため息をついている。でも落ち込んでる訳じゃない、むしろイライラしている。


「クソ面白くねぇ」


「そんなこと言ったって、受けたんだからやらないといけないでしょ」


「勇者なんてなるもんじゃねえ」


不正な手段で歴代最高の勇者の聖剣を奪ったその口が何を言ってるの。


「けど勇者の肩書は欲しいんでしょ、肩書だけね」


あの時のことを思い出すとイライラしてきて嫌味を交えながら言うと、サードはやる気もなさそうにのっそり立ち上がった。


「肩書さえありゃ後はどうだっていいんだよ、俺は」


「そう言ってるけど、やることはやってるよな」


アレンがからかうように言うと、サードは呪いの言葉を吐くような低い声で、


「勇者の肩書があれば至る所で優遇されんだよ…。それに似合う事もやんねえと世間の奴らが認めねえだろ…そうなりゃ優遇されなくなる…。だからやりたくもねえことやってんだ俺は…。じゃなきゃ誰がやるか勇者なんて面倒くせえもん…」


言いたいことは何となく分かるけど屈折した考えね。サードのねじ曲がった性格がよく出ているわ。


サードはイライラとした表情で舌打ちする。


「しかもただ居るだけなら『新しい居住地に選ばれただけだから様子みろ』とでも言えんのに、あの野郎、村人を人質に取るだあ?ふざけんのも大概にしろよ」


いつもつまらなそうな顔で怒っているようなサードだけど、今回のドラゴン騒動は心底気に入らないみたいでずっと荒れて文句を言い続けている。


こういう時に話かけ続けてると急にこっちにブチ切れてきて面倒だから放っておくのが一番。

私はそう思ってしばらく口をつぐんでおこうと思ったけど、


「けどドラゴンも色んな種類がいるはずだけど、どれなんだろうな?サードは一瞬だけでも見たんだろ?なんか特徴みたいなの無かった?」


アレンはサードの怒りなどお構いなしに話しかける。

ほんと、アレンのそういう所ってすごいと思うわ…空気読んでるのか読んでないのか分からない所が…。


「…」

サードは黙ってアレンを睨みつけていたけど、長いため息を吐いてから頭を振った。


「羽は無かったはずだ」


いくら怒っても物事は進展しないと自分で怒りを抑えたのか、まだ不機嫌そうな表情だけど気持ちを切り替えたみたいだ。

でもサードの羽はない発言に違和感が湧いて黙っていようと思っていたけどつい聞き返す。


「ドラゴンって普通羽があるんじゃないの?」


ドラゴンといえば、トカゲのような体に蝙蝠(こうもり)のような羽のついた姿じゃないの。


「いや、羽の生えてないドラゴンも結構いるよ。俺も全種類は覚えてないからちゃんとしたこと言えないけど…」


そうだ、モンスター辞典はアレンが重いしかさばるし使わないからと売り飛ばしてしまったんだった。


「もう少し行ったら村があるんだ。そこでモンスター辞典持ってる人に貸してもらおう」


アレンの言葉に私は頷く。

冒険者じゃなくても、モンスター辞典があればいざという時に役に立つと家に置いている家庭も結構ある。


アレンの言う通り少し進むと山の峰に点々と家があるのが見えて来た。


歩き続けてその集落にたどりつくと、おっかなびっくりこちらの様子を窺(うかが)っている村人たちが居て、そしてドラゴンの討伐に来た勇者だとサードが自己紹介すると喜んだ村人たちがあっという間に村長の家へと連れて行った。


「ドラゴンが人質にとった村は、この山の向こうの隣村なのですが」


パヤパヤと白髪が申し訳程度に生えているはげ上がった頭の村長が、嬉しそうに自らお茶を出して事情を説明する。


「隣村とは昔から交流が盛んで知り合いも親戚もたくさんいて、毎日子供や私たちのようなヨボヨボのジジイババアも行きあう仲の村なんです。そして先日うちの若い男衆たちが向こうの村へ遊びに行ってみたら…」


と言いながら村長は自分で入れた茶をさっさと自分で飲み始め、茶碗を下して続けた。


「隣村の入口にどでかい生き物のしっぽが見えたというんです。最初は見間違いかと思ったらしいんですが、そのしっぽがズルズルと動いて、その陰の方から低い、今まで聞いたことがないグルルルという唸り声が聞こえたと。

隣村の様子も気になったそうなんですが、そのまま逃げ帰って来たそうで」


「村の中には入ってないのね?」


確認のために聞くと、村長も少しバツが悪そうな顔になって私に視線をむけた。


「若い男衆といっても食べ物をもって遊びに行っただけで、武装もなんもしてなかったんです。

西側の方にドラゴンが出たという話も聞いていましたし、少し前に空をでかい生き物が飛んできたのも話題になってました。

いくらなんでもドラゴンらしきものの近くを通って隣村の様子を見に行けとは言えませんで」


向こうの村も心配だが、うちの村の衆も大事だからと村長は言い訳がましく言ってるけど、村人のトップに立つ立場からしてみたらもっともな意見だと思う。


「ちなみに私はドラゴンが村人たちを人質に取っていると聞いたのですが、隣村を見ていないのに人質に取っていると分かったのは何故でしょう?」


サードが表向き用の爽やかかつ真剣な顔で聞くと、村長はもっと真剣な顔になる。


「確実ではありませんが、かもしれないのです。この村と隣村は毎日お互い行き合ってましたが、うちの男衆がしっぽを見かけた日以来、隣村からこちらに来る者が一人も居なくなってしまったんです。

人質とまではいかなくても、ドラゴンが村に居座って家の外に出られない状況かもしれません」


「なるほど。…ではそのドラゴンのしっぽを見たという方たちに話を聞きたいのですが、呼んでいただけますか?」


と言うとアレンも重ねるように、


「ついでにモンスター辞典あるなら貸して」


と真面目な顔で言う…けど…正直アレンのはそこまで真面目な顔で言わなくても…。

思わず笑いが込み上げるけど、今の事情を聞いた限り笑っちゃいけないと必死に口を引き結ぶ。


しばらく待っていると、古めかしいモンスター辞典と、体格のがっちりとした同じ顔をした若い…私たちと同じくらいの年齢の男の人二人が部屋に入ってきた。どうやら双子みたい。


「あなた方がみたのはどのようなしっぽだったかお教えくださいますか?ドラゴンの種類を特定したいので」


「は、はい!」


サードの言葉に体を強ばらせながら二人が声を合わせて返事をした。

勇者一行の私たちを前にして緊張しているのか、見る見るうちに二人の顔が赤くなっていく。


「そりゃあでかくて長くて鱗があって、鱗の色は緑色っぽかったな」


「馬鹿、それだと大体のドラゴンに当てはまるだろ。それに色は青っぽかった」


「何言ってんだ、緑色だったじゃないか」


「いいや、あれは青だ」


「…それってターコイズブルーじゃないの?」


緑か青かで意見が分かれる色といったら大体ターコイズブルーだ(と私は思っている)。


思わず二人の言い合いに口を挟むと、二人は同じタイミングで私に視線を移したあと、またお互いに目を合わせ、


「ターコイズブルー…ってどんな色だ?」

「うーん…えーと…聞いたことはあるんだけど…」


と逆に悩みだしてしまった。


「大体…ほら、湖の一番深い所の色」


私の故郷の湖の深い所はそんな色で、あの色の部分は深いから近寄ってはいけないよとお父様によく言われていた。


けどそんな説明で色が分かるかしらと心配しながらも言うと、二人は合点したようで同じタイミングで頷いて声を合わせた。


「そうそう!そんな色だった!」


「そんで光が当たると鱗がキラキラしてて…こんな状況で言うのもあれなんだけど、綺麗だったなぁー」


「けど固そうだったな。それに背びれは…毛みたいにも見えたけど、トゲにも見えた」


「しっぽの先しか見てないけど、あれがしっぽの先だとしたら山を余裕で這いまわれる大きさだと思う」


「唸り声も地の底から響くような音で…」


アレンはモンスター辞典のドラゴンの章をパラパラとめくって、双子の言う条件に当てはまるドラゴンを探している。


「わしが結婚する前に買った辞典だから、お役にたつか…」


村長が恐縮そうに言うがアレンはこともなげに笑いながら答えた。


「大丈夫、ドラゴンの新種なんていないから」


そう。他の種類の亜種はじわじわと増えてるけど、ドラゴンは寿命が長いし、冒険者でも滅多に会わないし、会ったとしても大体生き残るのはドラゴンの方。


だからモンスター辞典がどんどん分厚くなってもドラゴンの章だけは創刊以降一ページも増えていないから、世の中にはドラゴンだけ全種丸暗記しているという人も結構いるみたい。


「いま聞いた話だとこれが一番近いんだけど」


アレンがそう言いながらページを指さし、その部屋に居る全員が頭を寄せた。


「ウォータードラゴン…」


『ウォータードラゴン


水辺に棲むドラゴンの総称。体の表面は住みかとする水辺(湖や沼地など)の色と同じことが多い。

魚のような、蛇のような体躯で表面を鱗が覆っている。体長は小さくても十メートルを超える。滅多に人前に出ることは無く、深い水底で過ごすことが多い。

人を襲うことは滅多に無いようで、ある湖にウォータードラゴンがいることに気づかず近くに村ができたが、村人がそのことに気づくのに数百年かかったそうだ。

村人はウォータードラゴンをどうするかと話し合った際「大人しいドラゴンだから問題ない」と結論付けたそうで、現在ではドラゴンと暮らす村として観光地化されている。


攻撃…滅多に攻撃してこないが、怒りだすと大水を引き起こす(伝承より)

防御…鱗は大変丈夫なため、剣などの物理攻撃は不可能と確認されている(伝承より)

弱点…水辺から離れると弱体化するのが確認されている(伝承より)』


ということだそうだけど、サードがアレンに問いかける。


「しかしこのドラゴンは空を飛べますか?それに水辺から離れると弱体化するならこんな山の上まで来るのはおかしいのでは?」


「そうなんだよなぁー。サードの言った羽が無いってのと、二人の話を聞いたらこれが一番近いんだけど…」


と言いながらアレンはドラゴンの章を最初から最後までペラペラとめくっていく。


「空を飛ぶドラゴンは全部羽が生えてんだよな。サードが見たドラゴンって本当に羽無かったの?」


アレンがサードに聞くと、


「夜目は効く方です。確かに羽はありませんでした」


とサードはキッパリ答える。きっと他に人が居なかったら、


「ざけんなよ、俺が見間違うとでも思ってんのかこの野郎」


とアレンの胸倉をつかみながら喧嘩口調で言い返していたんだろうな。


でもモンスター辞典を見ても該当するドラゴンがないって…それってもしかして…。


「新種とか?」


何の気なしに呟くと、どよめきが部屋に起こる。


「まさか」

「けど辞典に当てはまるのが無いって」

「本当に新種が…?」


思った以上に皆が興奮と恐れで騒ぎだして、そんな、ちょっと思ったことを呟いただけなのにと思いながら、


「まさかねえ?ドラゴンの新種なんて…」


とアレンとサードの二人を見ると、アレンは「まさかぁ」とヘラヘラ笑っているけど…サードは考え込んだような表情のまま何も言わない。


「サード?…お前まさか本当にドラゴンの新種だと思ってる?」


「…さあ、ここでははっきりと言えませんが」


イエスでもノーでもないと言う感じだ。


サードは立ち上がった。


「ドラゴンの種類は決めかねますが、まずは村人の救助を優先しましょう。エリー、アレン。村の様子を見に行きますよ」

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