第2話 《AIにより仕事は無くなるのか➋》


🔶朝比奈美幸


 木村さん、「何が人間がする仕事かは、人間が決める」その真意を教えてください。



🔶木村


 はい、私の考えを述べますね。


 まず、少子高齢化の今こそ、人間が出来るきめ細やかな人の温かみの感じられるサービスが求められるし、そんな企業こそが生き残る、と僕は思います。これは、願望もあります。


 例えば、100均一のショップがデフレの中で次々に登場している。ここでは、安く良い品が買えることが1番に重要です。ですから、セルフレジだろうが、レジが一人担当だろうが、人は長蛇の列で並んででも、買うわけです。


🔶美幸

 なるほど。沢山、都会は常に行列を作って並んでますよね。


🔶木村玲

 しかし、100均がどんどん増えていく。みんな待ち時間を短縮するためにセルフレジ化していくでしょう。そんなセルフレジの店が全てになったとしましょう。

 そしたら、過当競争かとうきょうそうの中で、人は少しでも付加価値ふかかちのあるものを選ぶんじゃないですか?

 100均で、わかりにくければ、コンビニや、大手スーパーで、考えてみてもいいですよ。


🔶美幸

 確かに。みんなが同じセルフレジで、同じ良い商品があるなら、さらに違う良いメリットを欲しくなるよね!


🔶木村玲

 そう、機械は馴染なじみの客を覚えてくれたり、感情移入したり、温かな挨拶をしてくれますか?

 コンビニ店員さんが気配りで「箸、スプーンをおいれしますか?」と聞いてくれる。

 スーパー店員さんでも「エコバッグに入れましょうか?」とか話してくれる。

 お互いに親しみを持ったり、馴染みになれば「今日は暑いですね?」とか日常会話だって生まれてくる。


 言いたいのはね、「レジに人間が要らないと思うのは単に会計のみを考えているからです。人間がやれば単に会計だけでない、温かな人間にしかない何かの付加価値ふかかちをつけられるのです」


 言い換えれば、この仕事に人間は要らないというのは、僕にしたら「ヒューマニズム、人間性の否定、人間なんて、優しさや、温かみなんて、あらゆる仕事に、労働に、要らないんだ、という社会の流れのように、思えてしまいます」


 🔶美幸

 なるほど〜。確かに怖いですね。私は医療事務もしていました。会計で年配者や、ご高齢の方に「会計が機械になったから、操作が わかんないし、事務の人と会話したりできないし、お医者さんや、検査のこととかよく聞けなくなったよ」って言われます。

 会計の場って、会計だけをする場ではないですよね。そこから、クレームや、ご意見を拾ったり、様々なニーズを掴む場なんじゃないかなあ。


🔶木村玲


 そうなんだよ、美幸さん、具体例をありがとう。そういったこともいいたいんだよ。

 事務系で言ったらさ、事務だって、段取りをして、効率性を考えたり、やっぱり単純な作業でも、人間がやるからこそ、きめ細やかな仕事ができる、例えば、人を思いやる事務ってあるんだよ。なんでもそうだよ。


🔶美幸


 ちょっと話が戻りますが、高齢化社会がくると、AIなんか、誰も使いこなせないんじゃないですか?


🔶木村玲


 そうだね。今の年配者をみていると、一生懸命にセルフレジやら機械化、スマホなんかに生きるために順応しようとしている、四苦八苦しているのを見て取れます。なんか変な社会。


 年配者が増えたら、企業のほうから、年配者のニーズに合わせていくのが、本来の姿のはずじゃないでしょうか。


 僕は、こんな社会は、破綻すると思います。弱い立場の方に寄り添うような形が理想だし、必ず多数派のそんなニーズが出てきて、企業から、歩み寄るように社会は変わっていく。


🔶美幸


そうですね、AIの進歩によって、なお更に、人の存在する意味のそもそもが問われてきている、そんな時代なのかなあ。



🔶木村玲


そうなんだ、僕は、そんな風に捉えて、こんな全体的な社会の流れをみています。


「その仕事、その労働に人間は必要なのか?人間を信頼し人間だからこそできることを見極められたら、やはり人間がする仕事は残ります。」



 「人間が必要か否かはだから、人間がきめるんです」



🔶美幸

 ズバリと回答ありがとうございます!

何か明るい気持ちになりましたねっ。人間なめんなよって感じ!(美幸さんは本来少しヤンチャなのです)


 さて、優しい暮らしのワイドショーいかがだったでしょう。


 では、またの機会に!

 さようなら。シーネクストアゲイン!


朝比奈美幸、木村玲(ペコリ)

 

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優しい暮らしのワイドショー  木村れい @kimurarei0913

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