一、控えめな落武者

私は霊感がまったくないので幽霊を見たことはないです。

ただ、ひょっとしてあの時のアレってという体験はあります。


それは浅草ギャラリー・エフで作家の加門七海先生と怪談イベント。

その時期にちょっとネットをザワつかした“幽霊の寿命400年”説 の話題をしているときでした。


幽霊の寿命400年説をザックリと説明すると。

所謂視える方々が関ケ原に落武者の霊が居なくなった、ちょうど関ケ原の合戦から400年目だったので幽霊の寿命は400年という説。


私が幽霊の寿命は400年なのでもう落武者の霊はいないんですよって言った瞬間に、2階からミシッ、ミシッ、ミシッと人の歩く音、それも重そうに歩く音が聞こえてきました。

私にだけではなく先生もお客さんもその場にいる全員が気がつくミシッミシッと足音。


2階に誰かスタッフでもいるのかと思ったら誰もいないし出入りできるところはない。

加門先生も来たのかもよっておしゃったので、その場の皆でヒェ~ってビビって、私もビビりまくったんですけど。


後からよくよく考えてみたら落武者の幽霊が“あの〜・・・まだ居るんですけど”って

主張したかったのかな、落武者の荒くれる霊のイメージと違って控えめな落武者の幽霊さん。ちょっと好感持てますよね。


でも、これは私の勝手なイメージですから、これが落武者の幽霊じゃないと本当に怖い心の底から怖い。落武者であれ。

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