むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは柴刈りに、おばあさんは洗濯に行きました——でお馴染みの桃太郎。 ですが、この作品は一味違った桃太郎のお話。 柴刈りに洗濯におともの三人に鬼退治。 おなじみの単語がまさかの意味を与えられ、鬼とは誰かを問いかけてくるようです。 そして、最後の一文には胸を打たれてしまいます。是非ご一読ください!
これほど見事な発想の転換はあるでしょうか。『桃太郎』を題材に『鬼』を描く。時が流れ、立派に成長した桃太郎は立ち上がります。彼が一身に背負うのは期待ではなく、庭先の桃に向かって立てた誓い。『鬼』という概念の、巧みな再解釈がここにあります。美しい筆致で描かれた、心を掻き毟られるような哀愁の感動作。
桃太郎が鬼退治に行くお話です。が、設定がもう面白い。『桃太郎』でお馴染みのあのキーワードが意外な形で登場し、思わずニヤリとさせられます。「まさか」の展開の連続でぐいぐい引き込まれ、物語は壮絶なラストへ。最後の一文でキャッチコピーの意味がわかり、桃太郎の覚悟に胸が熱くなります。発想の素晴らしさや展開の巧みさ、美しい文章。たったの3話、6千文字足らずとは思えないほどに深い余韻。ほんとうにもう、脱帽です。短い物語なので詳しくは書きませんが、とても面白いのでぜひ読んでみてください。
これほど胸を熱くさせる『桃太郎』が、かつてあったでしょうか?もとの『桃太郎』に登場するキャラクターやアイテムをうまく配置し、「泣ける桃太郎」へと昇華させた手腕はお見事としか言いようがありません。予想外の新設定やキャスティングに、「そう来たか!」と感心する場面も多く出てきます。『桃花に誓う』という美しいタイトルも、とても素敵です。予想を何度も裏切られる、驚きと感動をたっぷり味わえる『桃太郎』を、ぜひご覧ください!
「俺という生き物は、ずっとずっと汚い」と自分の惨めさに苛まれる桃太郎が、鬼と呼ばれる人達に出会ったことで人生に大きな変化が。生きていく理由ができたこと、ラストで決意した覚悟が良かったです。あと「芝刈り」と「洗濯」の隠語(?)の発想も面白かったです!
発想自体がおもしろいのですが、それを作者様の筆力とサービス精神でとてもおもしろい短編に仕上げています。ぜひ読んでみてください!
新解釈な桃太郎です。約6,000字とい短い物語の中に、主人公の心情が丁寧にぎゅっと詰まっています。鬼に拾われた桃太郎が、桃花に何を誓いそして何を成すのか、最後に見せる桃太郎の覚悟をどうぞご覧あれ。
子供のころから知っている『桃太郎』のお話。お伽噺の中では、桃太郎は「桃から生まれた」男の子です。しかし、現実には、桃から人は生まれません。それは、すなわち……。お伽噺の中の「鬼退治」とはどういうことであったのか。「柴刈り」や「洗濯」といった仕事は、どんなものであったのか。こちらの『桃太郎』では、お伽噺の現実を語ってくれます。そして。最終話で、更なる現実を突きつけられたとき――。心が揺さぶられると共に、この『桃太郎』の真の姿が見えてくると思います。
私にはとても真似できないような桃太郎の鮮やかな心情に驚きました!頑張ってください!