第8話 幼馴染と二人っきりの空間⁉
彼女といっても、恋人という間柄ではないものの、後々、そういう関係になるのかもしれない。
そう考えつつ、湊は金曜日の夕暮れ時に、
二人は帰宅途中の人らの横を通り過ぎながら、本屋を後に、次のところへと向かって歩いていた。
が、まだ、ハッキリと次の目的地は決めていない。今はただ、目的もなく、歩いているだけ。
それにしても、弓弦葉って、爆乳だよな……
中学生の頃までは普通だったのに。
高校二年生になり、明らかにおっぱいのデカさが制服越しにも目立っているのだ。
今後、どれくらい大きくなんだろ。
一緒に歩いているだけなのに、周りにいる人らの視線が、弓弦葉の胸ばかりに向けられているような気がした。
「湊君は……どこに行きたい?」
「どこって……」
ビクッとした湊。
内心、如何わしいことを考えていたこともあり、動揺してしまう。
今から行くホテル――
いや、そうじゃない……。
な、なんで、そんなことばかり考えてんだろ。
湊は、如何わしいホテルの想像をしてしまった。
隣には、爆乳の幼馴染。
そのおっぱいの膨らみを横目で見るだけで、揉んでみたいという如何わしい感情を胸に抱えてしまう。
普通の感情ではあるが、疚しい気分に心を掴み潰されそうになっていた。
「どうしたのかな?」
「なんでもないから、気にしないで……」
湊は隣を歩いている彼女に笑みを見せた。
その場しのぎみたいな対応の仕方である。
「えっと……さ、少し休憩しない?」
「休憩?」
「え、いや、変な意味じゃないから」
「え?」
弓弦葉は、首を傾げているだけで、よくわかっていないようだ。
むしろ、その方が都合いい。
ギリギリ、気まずい展開から回避できた気がする。
「休憩といえば、漫画喫茶とか? そういう風な場所でもいい?」
「うん、別にいいけど……どうして、そこなの?」
「だって、漫画とか見たいんでしょ?」
「う、うん」
「だったら、そこで、一緒に漫画とかを見ればいいかなって」
「そうだね……でも、漫画喫茶って、個室?」
「そうだな。個室……しかないね」
「……」
弓弦葉は頬を紅葉させ、気まずそうに下を向き、軽く押し黙っている感じだ。
まさか、変な誤解をさせた?
いや、そんなことはないはず……。
「弓弦葉? 俺は別に変な意味で言ったわけじゃないから」
「だ、だよね……」
弓弦葉は一度呼吸をしたのち、湊を見つめてくる。
その視線に湊は気づき、彼女と視線を合わせた。
「……」
「……」
二人の視線が重なっている状況――
気まずくもあり、なんて話しかければいいのかわからず、たじたじになってしまう。
「えっと、なに?」
「――ッ、な、なんでもないよ」
不自然な感じに顔を背けた弓弦葉は、縮こまる。
一瞬、小動物的な存在に見せてしまった。
が、弓弦葉は爆乳であり、強調された胸の部分だけは、大型動物的な雰囲気が醸し出されていたのだ。
二人は街中にある漫画喫茶に入る。
先ほど手続きを終わらせ、スタッフから渡された部屋番を元に、その場所へ、弓弦葉と共に向かう。
弓弦葉は消極的で、あまり話すことはしなくなっていた。
漫画喫茶は二人っきりの空間。変に意識しているだけかもしれない。
「ねえ、湊君?」
「ん?」
「一緒に入るだけだよね」
「そ、そうだよ」
ただ、一緒に同じ部屋に入るだけ。
たったそれだけのこと。
なのに、弓弦葉のおっぱいの膨らみに圧倒され、無意識にも変に意識してしまう。
湊は緊張した面持ちで特定の扉を開け、一先ず入る。
部屋の広さは最大でも三人くらいが入れる広さがあった。
そこまで狭いというわけではなく、快適に過ごせる感じだ。
ここの漫画喫茶には、天井があり、普通に生活できるほどの居心地の良さ。
二人は椅子に座り、一旦、心を落ち着かせた。
「まずは、何をする? 少し食べる?」
「注文できるの?」
「できるみたいだね」
湊は個室の壁に貼られたポスターを指さす。
そのポスターには、個室に設置されたパソコンを使えば注文できると記載されているのだ。
「そうなんだ。今日、金曜日だよね、少しくらいだったら何か食べようかな?」
「じゃ、一先ず、パソコンを起動させるから、ちょっと待ってて」
椅子に座っている湊は、正面にあるパソコンの電源をつける。
数秒程度で立ち上がり、画面が明るくなっていく。
画面上のデスクトップには、注文メニューと記されたアプリがあった。それをクリックし、開く。
「何にする? 色々あるみたいだけど」
画面上に映っているメニュー。
ハンバーガーや、ドーナツ。ラーメンやパスタなど、幅広く取り扱っているらしい。
「私は……」
弓弦葉は湊の隣にある椅子に座る。そして、画面を覗き込むように、考え込んでいる。
ん⁉
距離が縮めば縮むほどに、彼女の膨らみ具合を堪能することができた。
豊満な厚みに、湊はどぎまぎしていたのだ。
幼馴染とは昔から一緒にいるのだが、そのおっぱいの大きさにたじたじになってしまう。
冷静になればいい。
そんなことを脳内で思考し、何度も心に言い聞かせていた。
やっぱ、デカいな……。
右腕に接触している、特大級のおっぱい。
腕に触れて、初めてわかる、その大きさ。
それに、感銘を受けつつも、動揺していた。
「私、何にしようかな……一緒に食べられる方がいいよね?」
「じゃあ、フライドポテトとか?」
「うん。それでもいいよね。けど、つい最近、ハンバーガーと一緒に食べたし。でも……それでいいかな?」
「じゃあ、ハンバーガーも食べるってことでいい? フライドポテトは確定として、どのハンバーガーにする?」
「私は普通のでいいよ」
「それでいい?」
「うん」
「だったら、俺もそれでいいかな」
湊も、スタンダート的なトッピングを施された、ハンバーガーにする。
もう少し食べたい気もしたが、今は彼女に合わせることにしたのだ。
「注文するけど、他はない?」
「今はいいよ」
弓弦葉と話し合った結果、パソコンを使って注文することになった。
手続きは簡単である。
画面上に表示されている品をクリックして。最後に、会計ボタンをクリックするだけ。
支払いは、帰る時に行えばいいのだ。
注文が終わった後、湊は、弓弦葉のために、漫画アプリサイトを検索エンジンで調べることにした。
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