夏休みが始まった。

休みとは言っても、部活と委員会でほぼ毎日学校には行くけれど。

ただ、長期休みに学校に行くのは、やはり普段とは少し違う。

授業を受けている50分は永遠に続くほど長いのに、

部活の4時間は一瞬で過ぎてしまう。

時間の流れが異常に早くて、

夏休みの1ヶ月もすぐ終わってしまうような気がする。

今年の夏、私は誰とも遊びには行かない。

どちらかというと、夏休みは部活以外は家でのんびりしていたい主義。

コロナがなければ祖父母の家に行く予定だったが、今年は無理そうだ。

小さい頃の夏休みといえば、

毎日、友達と川に行ったり海に行ったり

時々神社の神主さんにスイカを貰って、ベンチに座って食べたり…

全てが自然と共にあって、充実していた。

正真正銘の田舎の少女だった。

一緒に遊んでいた子たちの名前を、もう今は覚えていない。

どこに住んでいるのかもわからないような子と

「明日もこのバス停に集合ね」と言って、当たり前のように会っていた。

都会に引っ越した今

あの頃の日々を時々思い返してはすごく寂しくなって

なぜか胸が痛む。

思い出が、時が経てば経つほど

私の脳内で美化されていっているような気がする。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい