第11話 腹をくくります!




終わった!!


さっき東藤が言ってたバイトに関係ない話のことが気になりすぎて、全然集中できなかった…。

笑顔で“嫌いです”とか言われたら俺、泣く自信ある。

それだけは嫌だな。



「先輩、お待たせしました…ってすごい顔ですよ?どうしたんですか?」


「そんなひどい顔してるか?疲れただけだけだと思うぞ。」


「それはそれは、お疲れ様で~す。」



煽られてるのか…?

俺的には早く話を終わらせてほしいんだが、東藤が話し始める気配が全くない。

なんならもうすぐ家に着くんだが。

先輩らしく、嫌われていようとも話しやすいように先導した方がいいのか?



「なぁ、東藤。」


「な、何ですか?」


「さっき言ってた話って、なんだ?」


「あー、家の近くの公園で話そうと思ってたんですけど、今がいいですか?」


「まぁ、公園ならあとすぐだし公園行くか。」



公園までこの緊張が延長されるのか…。

もうすでに心臓バクバクなんだけど。

東藤もなんとなく落ち着かない雰囲気なのも気になる。





あぁ…あああぁ。


俺の処刑場に着いてしまった。

処刑場とは違うか、もうこの際なんでもいい!


自転車を公園の入り口に停めて、2人でベンチに座る。

この時間は人が全くと言っていいほど通らないから静かすぎる。

今の俺にはこの静けさも嫌になる…。



「で、話ってなんだ?」


「えっと…その…」


「どんな話でも受け止めるからさ。落ち着いたら話して。」


「…。あのね。」


「あぁ。」



ついに…。


俺も覚悟を決めないと。

カッコつけてる場合じゃない。



「私、先輩のこと…好きなんです。」


「は?」


「えっと、だから、先輩の事が好きなんです。付き合ってほしいんです。」



待て待て待て待て!?


いや、俺の事好きって…


え?


ちょっと思考が追い付かないんだけど、付き合いたいって言ったよな?

つまり俺の事好きで、付き合いたいって事だよな。


俺、何言ってるんだろう。

落ち着け、まずは返事をしないと。

でもあいつと付き合うって、どうなんだ?




「先輩?あの、迷惑でしたよね。ごめんなさい。」


「いや、ありがとう。明日まで返事待ってもらえるか?」


「はい。突然でごめんなさい。」


「謝らなくていいから。明日、連絡する。」


「わかりました…。」



あー、俺もいっぱいいっぱいだったけど、ふと東藤見たらあいつが泣きそうな顔してるのが見えて少し冷静になれた。

そうだよな、告白って勇気いるだろうしな。

それの答えを待ってほしいって辛いか。


さて、返事どうするか。


俺が東藤と付き合うとして…まず第一にあいつは未成年だし、なんなら高校生だしな。

てか、付き合うとしてってなんだ!?

まるで東藤を好きみたいじゃないか…


いや、”好きみたい”じゃなくて、俺は東藤が好きなんだろうな。


でも、俺らが付き合ったら犯罪にならないか!?


んー、気持ちを優先しろって言われても俺がこれを許していいのか…。

つか、東藤はかなり幼い外見だから余計付き合っていいのか迷わせるんだよな。

ロリっ子と大学生って、完全にアウトだろ。




俺の気持ちを優先うんぬんではなく、やっぱり高校生と大学生が付き合うのは無理がある。

明日、ちゃんと断ろう。









俺の気持ちとは真逆なほど晴天だなおい。


『朝からごめん。少し話せるか?』


昨日いろいろ考えたけど、やっぱり付き合うべきではないと思う。

メッセージで断りを言うのは簡単だけど、やっぱりこういうのの返事は直接会って言いたい。


『はい。いつもの公園でいいですか?』


返信早いな。

東藤も寝れなかったのかな。

考えてみればそりゃそうか。


『20分後に公園で。』




色々準備もしなきゃいけないだろうし、俺の気持ちの整理も含めての時間。

さすがに緊張するな。





「お待たせしました。遅れてすみません。」


「いや、大丈夫。」


「それで、話って。」


「あぁ。東藤の気持ちは嬉しかった。」


「じゃあ!」


「いや、ごめん。俺は東藤の気持ちには応えられない。」


「な、何でですか…?」


「理由は、付き合う想像ができないんだ。だから-」


「それって、私の見た目が幼いからですか?」


「え?」



違うとも、そうとも言えずに沈黙が流れる。



「あー、そうですよね。私みたいな見た目の子先輩とは釣り合わないですよね。」


「違う。」


「何が違うんですか?こんな風に気を使ってもらうぐらいなら、告白しなきゃよかった。」


「違うんだって。」


「何が違うんですか!?」


「だから、俺はお前が好きなんだよ!」


「え?」



やばい、何言ってるんだ俺は。

もしかして口走ったのか…?



「先輩…好きって…どういうことですか?」


「そのままの意味だろ。」


「嘘…。じゃあ何で付き合えないんですか。」



口滑らせたな…。

言わないつもりだったのに。

言ったら困らせると思ったから。

でも言ってしまったからには、腹をくくるしかないか。

東藤も意味わからないみたいな顔してるしな。



「俺は東藤が好きだよ。」


「でも付き合えないって。」


「最後まで聞けって。好きだけど、俺は大学生で東藤は高校生だ。だから…」


「うぅ…うぇっ…。ぐすっ…すびばぜん。まみだとばらないでず。」(すみません、涙止まらないです。)



目の前に号泣して顔面がぐっしゃぐしゃになっている東藤がいた。

いたって言い方おかしいか。

まぁ、何故か泣いてるんだよ東藤が。



「何言ってるのかわからないし、何で泣いているのかもわからないんだが。」


「だって、ぐすっ、先輩は、私の事好きなんですよね?」


「あぁ。」


「だったらそれでいいじゃないですかーーーー!!ぐすっ。」


「いや、でもさ、考えてみろ?」


「嫌です。先輩の口から私の事が”好き”って単語が出てきた以上、何が何でも付き合いたいです!!」


「は!?いやいや、俺の気持ちは?」


「好きなんだったらいいじゃないですか…。」



そんな困った顔で見るなよ…。

俺もさっきとっさに口から”好きだ”なんて言葉が出てきてびっくりしてるんだからさ。



「いや、ダメだろ。」


「わかりました!お試しでいいので、付き合ってみません?」


「意味わかんないって。」


「好き同士なんだし、一回付き合ってみましょうよ。それでだめだったら諦めます!ね?」


「んー、お試しね…。いいのか、それ。」


「いいんです!ね?ね!?」


「わかったから落ち着けって。」


「やった!もう、先輩大好きです!!」



しまった、分かったとか言っちゃいけなかった。

俺の言った意味と違う意味でとらえてやがる。

あー、もう、腹くくるか。


好きになってしまったことは認めるし、東藤と付き合うのは悪くないけど…。

もう、断り切れないし。



とりあえずって言い方はよくないけど、俺は初めて好きになった子と付き合えたわけだし、これからのことはこの先考えればいいか。





まぁ、ロリっ子な見た目でもいいのかもしれないとか思ってる時点で流されてるのかもな。





「じゃあ、改めて、俺と付き合ってください。」


「はい!もちろんです、先輩!!」










-END-





読んでいただきありがとうございました(*‘∀‘)

途中止まったりしましたけど、無事に完結できてよかったです!!


少しでもいいな、と思ったら♡やコメント、☆をお願いします!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ロリっ子高校生×冴えない大学生 銀じゃけ @silver_syaaake

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ