第2話 デートなう



今日は待ちに待ってなんかいない土曜日。



別に楽しみで早く起きたりなんか…しました。

休日なら絶対に寝ているであろう7時に起きました!


生まれてから22年間彼女なんていなかった人間に、デートのお誘いがあるとは思わないじゃないか。

告白はされたことあるけど、俺なんかがって思うけどお断りさせてもらった。

罰ゲームっぽかったから…。


いや、まぁこれからできるつもりだったけど!

予行練習的な?

東藤も身長が小さくて幼く見えるってだけで顔はかわいい方だと思うから、嫌な気持ちなんて全くと言っていいほど起きないわけで。

むしろ俺で良いのか?ってなる。



「なにそんなに思い悩んでるんですか?」


「うわ!?びっくりした。」


「声かけたのに気づかないからですよ。」


「悪い。気づかなかった。」


「別にいいですよ。さて、髪の毛切りに行きましょー!!」


「はいはい。」



東藤の服装がいつものバイトの時と違くて目が泳ぐ…。

白のノースリーブにちょっとタイトめなスカートで、しかもいつもより化粧がしっかりしてる?


それよりも!髪型がポニーテールって!!

ポニーテールが似合う女はいいよな。うん。


って何考えてるんだ。

東藤は後輩で、ロリっ子だぞ。

やめやめ。



「そんなに見ないでください~。」


「見てない。」


「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか~。」


「はいはい。ポニーテールが似合っててかわいくて見てた。これでいいか?」


「んなっ!?そ、そんなこと簡単に言わないでくださいぃ。」



見ないでって言ったり、そんなこと言わないでって難しいな。

今日の東藤は変だ。



「さて、着きました!」


「ん?ここか?」


「そうです!私も通っている美容院です!もうすでに似合いそうな髪型はチョイスしてあるので。」


「俺に選ぶ権利はなしか?」


「いえ、ちゃんと選べます!私の選んだ髪型の中からですが。」


「わかった。そこから選べばいいんだな。」


「はい!」


「お前は俺がいない間どうしてるんだ?」


「用事があるので済ませてきます。終わったら合流しましょう。」


「わかった。」



美容室とか久々すぎて会話できるか不安だったが、東藤がちゃんと俺の事を話してくれていたみたいで、会話を盛り上げてくれた。


髪型はマッシュか短髪ツーブロの二択しか無かったから、マッシュの前髪センター分けにしてもらった。

まぁ、俺が選んだというより美容師さんがこっちにしましょう!って食い気味だった…。

ツーブロちょっとだけやってみたかったけど、センター分けマッシュも案外似合ってるからいいかな。



美容室を出るとすでに東藤が待っていた。



「待たせた。終わったぞ。」


「いえ、って…やば。」



なんだよやばって。

やばって似合わないってことか?



「どう、だ…?」


「いいと思います!!」


「そうか。」


「服はそのままで全然いいし、髪の毛もおっけいでしょ。あとは…」


「まだなんかあるのか。」


「プリクラ取りに行きましょう!」


「プリクラ!?」



プリクラってあれだよな。

写真だけど、顔がバケモンみたいに加工される…

あれで撮るのか。



「なんでプリクラ撮るんだ?必要か?」


「はい!だって、変身した記念に写真撮らないなんて勿体ないじゃないですか!!」


「そういうものなのか?」


「そういうものです。」


「はいはい。」



プリクラとか高校のイベントごとでふざけて撮ったぐらいだよ。

なんなら女となんて人生で一回もないわ。


俺の人生寂しすぎない?



「そんなことないので安心してください。」


「なんっ!?」


「思ってること口に出てますよ~。」


「最悪だ。」


「さて、これで撮りましょ!」



俺が思い悩んでいる間に東藤はどれで撮るのか機種を選んでいたらしい。

中に入ってみると、携帯で動画が撮れるように置く場所や、カメラを動かしたりできるようになっていたりと時代を感じた…。


実際に撮ってみると、自分でカメラの角度を決められるのはいい。

ただし、どこを向けばいいんだ!?という問題は出てきたがな!!



「先輩どこ見てるのかわからない。」


「しょうがないだろ。こんなプリクラ初めてなんだから。」


「おじさんみたいですね。」


「言っとけ。」




プリクラの片割れを東藤から受け取る。

受け取ったプリクラは俺がちゃんとカメラ目線になってる写真だったし、なんなら加工も宇宙人並の物じゃなかった。

しかも今のプリクラは切らなくていいんだな。

とりあえず財布にでも入れておくか。




「先輩はプリクラお財布派なんですね。」


「得に決めてないけど、財布が一番無くさないだろ。」


「なるほど。私は携帯カバー派なんですけど、入れても良いですか?」


「なんで許可とる必要あるんだ?」


「いえ、先輩が気にしないならいいです。」


「しまうところなんて好きにすればいいだろ。」


「好きにします。」




凄い嬉しそうにカバーの中に入れるじゃん。

たかがプリクラでそんなに嬉しいか?

女ごころとやらはわからんな。



その後、お腹空いたと駄々をこねた東藤を連れてファミレスで飯を食い、帰宅。

最後はかなり満足そうに帰って行ったから、まぁつまらなくはなかったんだと思う。

そう部屋で考えていると携帯が鳴った。



『今日はありがとうございました!先輩とデートできてすっごく楽しかったです。わがまま聞いてくれてありがとうございます。またバイトで!』



律儀な奴だよな。

俺もなに高校生に流されてるんだか。



『俺も楽しかった。またバイトでな。』



また次のバイト、か。


何気に楽しんでる自分がいるのが若干気持ち悪いけど、女と付き合ったことがない俺はこんな事でもうれしいんだよな。


いっそ…いや、その先は良くない。


その考えだけはだめだ。

そもそもあいつとそんなに仲良くしてた記憶はないけど、懐かれるのは嫌な気分じゃないからな。

しかもイメチェンとか言って始めは嫌だったけど、案外似合う髪型選んでくれたし、ちょっとだけ恩返しということでしばらくは流されてやるかな。





-つづく-





読んでいただきありがとうございます。

今回はちょっと長めでした💦


ロリに続き、流されちゃう系お兄さん好きなんです(笑)

一番は銀縁眼鏡のスーツ着こなせる高身長お兄さんが一番です!!!!

残念ながら今回は眼鏡かけてないです…。


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