第11話 キャンプ 2

 大人になってからのキャンプは、子どもを連れてのものからだった。諸般の事情で年に一度ぐらいのカーキャンプ。荷物満載、至れり尽くせりのヘビーキャンプだった。メニューは焼肉、焼そば、ピザや燻製を作って、酒を呑む。まあ、それで良かったのだけれど。

 子どもが大きくなって、しばらくは何もしなかったし、する気も起きなかった。それでも、キャンプツールは時々取り出してはメインテナンスだけはした。昔の道具だから、灯りはガスとガソリンのランタン。バーナーもガス、ガソリン。おかげで動かさないとそこら中が錆びてしまう。パッキンが駄目になると交換が大変なのだ。テントやタープはさすがに生地が傷んで使えなくなったので処分してしまったが、それ以外のギアはほとんどが未だに現役で使えるのだが、使う当てが無いというのが少し寂しい。

 考えて見ると、私が必要なギアはどんなものだろうか。ユーチューブ動画などを見ると色んなギアが紹介されているのだが、荷物は増やしたくない。しかし、足りないのも嫌だ。この足りないのがと言うのが危険な発想なのだ。あれもこれもと気がつけば使いもしないギアをキャンプ場に持ち込む羽目になる。

 とにかく、テント、ストーブ、煮炊きのための鍋、食器、水、食料、箸、燃料、灯り、イス、寝袋、酒ぐらいだろうか。火を焚きたいなら、小さいバーベキューコンロが有れば十分だろう。今有る装備なら、テントは安物が一つ生き残っているのでそれを、タープ代わりにブルーシートとポール、綱のセット、シングルのガスストーブ、ミニバーベキューコンロ、折りたたみイス、ミニコッヘル、食器、ガスランタン、百均の電池ランタン、水、食料、インスタントコーヒー、ウイスキー、寝袋とエアマット、蚊取り線香とライターぐらいだろうか。エアマットは余計と言われても譲れない。背中の痛みを我慢する気にはなれないのだ。これぐらいなら、車に積んでも大した荷物にはならないだろう。結局、沢山の荷物は後片付けをめんどくさくする元凶なのだ。それをどこまで少なくして快適に過ごせるか、自分のやりたいことをできるかなのだ。不便を楽しむと言うほどマゾでも無いので楽はしたいのだ。まあ、こういう想像をするのはとても楽しい。また気が向いたら一人で出掛けてみようか。


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