アナタが選んだのは麦茶ですか?ポカリスエットですか?

アオヤ

第1話

「真夏のこんな暑い日なんだから、先輩手加減してくださいよ! 」


俺は暑さに倒れそうになってしまい・・・

テニスコートをコッソリ抜け出し、近くの自動販売機へと向かった。


自動販売機には冷たい飲み物が並んで俺を迎えてくれている。


俺は握りしめていたコインを自動販売機に投げ入れようとしたら・・・

俺の手からコインはこぼれ、路上をコロコロと転がって道路の側溝の蓋の隙間からコトリと下へ落ちた。


『やっちまった~』


コインは丁度しか持っていない。

俺は水分を補給出来ずにここで干からびてしまう運命だったんだ。


童話の世界なら

『アナタが落としたのは金の斧ですか? それとも銀の斧ですか? 』

なんて展開があるかもしれないが現実はあまくない。


途方に暮れて薄暗い側溝の中を覗いていたら声をかけられた。


「ねぇ、お金落としちゃたの? 私が奢ってあげようか? 麦茶にする、それともポカリスエット? 」

幼なじみの梨花が干からびそうな俺を見て声をかけてくれた。


俺はそれを見て天使が降りてきたのかと思った。

そしてボォ〜とした俺はつい童話と同じセリフを言ってしまった。


「私が落としたのは普通の斧です。」


みるみる天使様の顔は鬼の様に変わっていった。

「ハァ~!? ふざけてるの? 奢ってやんない! 」


童話と一緒で天使様は行ってしまった。

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アナタが選んだのは麦茶ですか?ポカリスエットですか? アオヤ @aoyashou

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