Day2-0


夜中過ぎに目が覚めた。






僕は体中が汗びっしょりだった。






胸が苦しい。






気持ち悪い。






頭が痛い。






頭が……






頭が……痛い……!






どんどんと痛さが増してくる!






締め付けられているような痛みが!!






「しまった!寮に帰らないと……」






慌ててベッドから出ようとする。






「……どうしたの?朝まで一緒にいてよ、王子様」






キルシュが手をつかんできた。




僕は反射的にその手を振りほどく。






「あ……ごめん」




「本当にどうしたのだ?……顔が真っ青だぞ」






説明していられない。急ぎ服を着る。






「大丈夫だから。……急用を思い出したんだ」




「寝ぼけているわけではないな。ただ事でないのは雰囲気で分かる。それは私は手助けができないことなのか?」




「……そうなんだ。本当にごめん」




「いや、こちらこそ悪かった。あまりにも王子様と一緒にお姫様をしているのが楽しかったので」




「また、しよう」




「約束だぞ」






キルシュとキスをしてから部屋を後にする。








ーーーーー








頭が痛い。






気分が悪い。






胸が苦しい。






体が重い。






足がもつれる。






気を……失いそうになる。








……だめだ。








ここで倒れたら2度と帰ってこれない気がする。




キルシュとも会えないし




ネレアのコンサートにも行けないし




ルリノさんとも……。






汗が滴り落ち




喉はカラカラ




それでも必死に歩く。






何とか寮の自分の部屋までたどり着いた。








ーーーーー








日付をまたいでどれくらい経った?




確認するよりも




日記を……書かないと。






うかつだった。






2日目は色々あり過ぎた。




そのせいで、日記を書かないといけないことを忘れていた。






基本、僕はお泊りができないな。




日記を持ち歩いて、泊まる先で書くという手段もあるかもしれない。






ただ……






何となく、他の人にこの日記のことを知られてはいけない気がする。








……はあ、それにしてもヤバかった。




何とか頭痛もマシになってきた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る