金の糸(笑わない転校生)

aki

第2話

翌日

何時も自分の席で座って居る加賀。

又、女子達が群がっている。

紗綾は良く見ると加賀が、やっぱり

全然、笑って無い事に気が付く。

(普通の男子なら、あんなに女子に

言われると笑ったり、ニヤケたり

するよね?何だろう?)

不思議な感覚だった。

[さーや、おはよう。]

満里奈、ゆりな、純香達が登校

して来た。

[おはよう。]

と紗綾。

[昨日は楽しかったねー]

と、ゆりなが言うと。

[本当にやちゅーを筆頭に男子は

保育園の、ままだよ!変わって

無いね!]

と紗綾。

[高校に行っても、大丈夫かな?]

と心配する満里奈。

[帰らされたりして!小学校から

もう1度やり直して来なさいって!]

と純香。

[ハハハハハ。]

みんなで笑って居ると噂をしていた

男子4人がやって来た。

[お前達、昨日あんなに、喋ってて

朝から、もうそんなに笑ってんのか?]

と、やちゅーが、突っ込んで来る。

[フフフ。]

と女子の不気味な笑い。

[何だよ!その笑い方は、あっー

お前達、俺達の事を話してたん

だな?教えろよ!]

と、けーんが言い寄って来る。

[してないよ、フフフ。]

と女子達。

[絶対そうだ、教えろよ!]

竜と愛甲も気になるみたいだ。

8人で大騒ぎをしていると担任の

森本先生が入って来た。

[そこ、うるさい!早く席に

座りなさい。お前達は何時も

賑やか過ぎる!]

[はーい]

一時休戦。

そして授業が始まる。

給食の時間は、何時も女子4人で

食べていた。

そして、女子だけの恋話が始まる。

[ねぇ、みんな好きな人出来た?]

と、いきなり、ゆりなが聞いて

来た。

紗綾は即答で

[出来ない。]

[私は気になる人が居るんだけど、

と満里奈が答えた。

[えっ!誰、誰、教えて!]

と、食い付く3人。

[私は、いいから純香は?]

[私は、ずっと片思いしてるよ!]

[誰、誰、満里奈、純香、隠し事は

良く無いよ!言いなさいよ!]

と必死な紗綾と、ゆりな

すると満里奈が

[私は、けーんが気になる。]

[へぇーそうなんだ、全然、気が

付かなかったよ‼️純香は?]

容赦の無い紗綾。

[私は、ずーっと、やちゅーの事が

好きなんだけど、やちゅーは紗綾の

事が好きだから私は、ただ思ってる

だけで良いよ。]

すると紗綾が

[何で私?仲が良いだけだよ!]

[紗綾は気が付いて無いだけだよ!]

と純香が言う。

[ゆりな、私とゆりなで、この恋を

何とか、しないとね!高校は別々に

なるんだから急がないとね!ゆりな

頑張ろう!]

[おーっ]

授業が終わると3年生は部活を

引退しているので帰りが早い。

家に帰った紗綾は受験の為の勉強を

していた。

すると

[さーや、さーや。]

と下から、お母さんの呼ぶ声がした。

[なにー。]

[買い忘れた物が有るから、ちょっと

買って来てちょうだい。]

[えーっ!]

[お母さん、今、料理してるから

行って来て!]

[分かった、何を買うの?]

[その紙に書いて有るから買って

来て!]

紗綾は、そのメモを持って近くの

スーパーに行った。

メモを見た紗綾。

(どれだけ買い忘れてるのよ!)

と思った。

一つ一つ、カゴに入れて行く。

すると前に加賀が居た。

買い物をしている。

(加賀って、毎日、自分で買い物を

してるのかな?お母さんは居ない

のかな?)

声は、掛けずらいので、紗綾は違う

通路を通って帰る事に、した。

家に買い物した物を持って帰った。

[お母さん、いったいどれだけ

買い忘れてるのよ!]

[ごめんね、行く前は覚えてるん

だけどね、お店に着くと色々な

物が目に入っちゃって、ついつい

そっちに行っちゃって忘れるの!]

[もうー。]

お母さんと2人で、ご飯を食べる紗綾。

お父さんは、紗綾が小学生の時に

病気で他界してお母さんと2人暮らし

だった。

[受験勉強は、はかどってる?]

[うん、勉強してる間に買い物に

行かないと、いけないから、スッゴク

はかどってるよ!]

[あらー嫌味な子に育って、お父さん

が聞いたら泣くよ!]

[いやー多分そんなに忘れて来る

お母さんを見て泣くと思うよ!]

[それは言えてるわね~ハハハハ。]

明るいお母さんなのだ。

何故か、やはり加賀の事が気になる。

(学校でも、喋らないし、家でも

あーなのかな?)

その頃、加賀も紗綾を考えていた。

(北村紗綾ちゃん今日も元気だった

もう僕との約束は忘れてるみたいだ

その方が良いんだ、僕には、もう

約束も守れないし北村紗綾ちゃんと

話する事も、厳しいんだ!)

布団に、潜り込み涙する加賀。

翌日

学校でも加賀の様子が気になる紗綾。

(加賀も気になるけど満里奈と純香

も、どうにかしないと、いけないし

勉強も、しないといけないし、あー

忙しいな、あっそうだ!8人で遊びに

行く予定を作ろう!そして2人同士

に、しよう!)

我ながら良い考えだと思った紗綾は

ゆりなに、まず相談した。

そして、何時もなら、やちゅーに

言うんだが当事者なので竜と愛甲を

呼んで4人で相談した。

[いいぞ!協力するけど多分だけど

やちゅーはさーやの事が好きだぞ!]

と竜。

[えっ!それは困るのよ!純香が

やちゅーを好きなんだから!]

[さーや、お前は、やちゅーは?]

と愛甲。

[私は、ずーっと友達だよ!]

[やちゅー可哀想に!]

[しようが無いじゃん、ゆりな笑って

無いで助けてよ!]

[ごめん、ごめん、さーや。]

そして、みんなの協力で8人で映画を

観に行く事にした。

無難な、コメディ映画を選択した。

[じゃあ、女子4人くっつけると

うるさいから男女交互に座ろうぜ。]

と竜が提案した。

紗綾は心の中で

(竜、気が利く~)

[じゃあ、やちゅーは、ここ次

純香、そして、けーん、満里奈

俺、ゆりな、竜、紗綾の順番な!]

と愛甲が決めてくれた。

すると、やちゅーが

[何で?]

[いいんだよ!]

と竜が一撃。

[始まる迄に、ジュースとポップコーン

買いに行こうぜ!映画って、言ったら

定番だろう?]

と、やちゅー。

[じゃあ私と、ゆりなと竜と愛甲で

行って来るから4人は私達の席を

取っててね!]

4人を残して買い物に行った。

[上手く行くかな?]

[どうだろう?]

と心配する紗綾と、ゆりな。

そして買うと時間ギリギリに中に

入った。

席に戻る4人。

[おっせーよ!何してたんだよ!]

と、やちゅーが怒りぎみに言う。

[いやー混んでたからな!]

竜と愛甲。

[うん、うん!]

首肯く紗綾と、ゆりな。

それでも映画が始まると面白過ぎて

笑い転げる8人。

紗綾達の席だけが、やたらと賑やか

だった。

すると

[ごほん!]

と咳払いをされた。

[あっ!みんな静かにだよ!]

紗綾が言う。

全員が

[うん!]

と少し静かになったが少しすると

又、大笑い。

そして

[ごほん!]

これの繰り返しで映画は終わった。

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