43話 倒す。休む。登る。
43話 倒す。休む。登る。
世界樹の中、1階層のワータイガー100匹を討伐して、ハネビに救援をお願いする。
しかし救援が来るまで日数はあるので、意を決して世界樹の中に出来たダンジョンを登っていくことにする。
無茶はせず、体力やスキル的にも無理なく休み休み回復してから行く事にする。
(無茶して死んだら元の木阿弥だからな。さてこのでっかい木の内部はいったい何階で出来ているのだろうか?)
「聖一さん、世界樹の中身は元々100階層でありますです!でも1階層を見るかぎり邪素のせいで変形しているでありますです。そして邪素と魔素がまざりあってモンスターが大量発生してダンジョン化してるんだと思いますです!!」
邪素のせいで世界樹が暴走して形がかわってしまったようで、元々は100階層だったが、元々の世界樹の中と1階層ごとの大きさが全然違うらしい。
(そっかそっか。つまり何が起こるかわからないってことだな。)
「さあ2階層だぞ。」
2階層に上がるとワータイガー150体がいる。
「どりゃ!」「えい!」「えいやです!」
さらっと3人はワータイガーの群れを片付ける。
「念のため休もう。」
「ええ。」
「はいです。」
そして3階層にあがるとワータイガー200体。
(またワータイガーかよ!)
あっさり倒す。
しかしすぐに出発せず念のため休息を取る。上の階層に向けて出発する。
そして4階層もワータイガー250体。
(もうワータイガー地獄じゃん。)
1部屋あたり横が100m高さ200mくらいの大きさの空間に、あたり1面ワータイガーがうごめいている。
さすがのワータイガーの数に、倒しきるのに少し時間がかかってしまう。
「休もう。」
「ええ。そうね。」
「はい。でありますです。」
休んだのち3人は上の階層に登る。
5階層にあがる3人。
「うわ三体いる。」
「なつかしいわね。」
「ダッシュバイソンでありますです!」
そこにはダッシュバイソンが3体いる。
「でも。」
「ふっ。」
「余裕でありますです!」
「ピンポイントブラックホールアタック、ピンポイントブラックホールアタック、ピンポイントブラックホールアタック!!!!!!」
「刺突と爆発、刺突と爆発、刺突と爆発!!!!!」
「ほっ!」
まずマホがダッシュバイソンの脳を魔法でえぐりとり、1体が膝から崩れ落ちる。
そしてシャマが頭部に精霊弓の刺突と爆発の矢を三発当てて頭部を破裂させ、もう一体も崩れ落ちる。
最後は聖一がダガーを二刀流で持つ。
サッと足元まで一瞬で駆け出し、喉からうなじに向かって飛び上がりながら斬りつける。
ズルリと首が落ちる。
「よっしゃ!」
「やったでありますです!」
「やったわね!ゴフゴフ!」
(え?え?え?ワータイガーまでは大丈夫だったのに、何故かマホが血まみれになってる。え?なんで?え?)
「よし小屋を出してがっつりゆっくりしっかり休むとしよう!!」
「そうね!ゴフゴフ!」
「はいでありますです!」
小屋のなかで、ゆっくり休んでさらに上の階層を目指す。
6階層にはロックゴーレムが30体。
「ここは私とシャマに任せて。」
「任せてくださいです!」
「頼んだ!」
目玉の魔水晶という明らかな弱点があるので、マホのピンポイントブラックホールアタックとシャマの精霊弓の餌食になっていくロックゴーレム。
そしてあっさり全滅させる。
休息を取る。そして上の階層に登る。
7階層はロックゴーレム35体。
(またロックゴーレムかよ?!ん?あららー。マホさんシャマさん頼もしい。あっさり倒しちゃったよ。)
倒す。休む。登る。
そして8階層はロックゴーレム40体。
(もうロックゴーレムいいよ。)
倒す。休む。登る。
そして9階層はロックゴーレム50体。
「しつこいな!!」
数が増えてもちゃんと弱点があるので、ワータイガーよりもあっさり全滅させる。
そして休息を取り再び上の階層へ登っていく。
10階層にたどり着く。
(10階層の天井の高さは1000mくらいあるかな?めっちゃ広いな。ん?なんか飛んでる?うわー。あいつかー。しかも三体もいるよ。)
10階層はキングドラゴン3体。
「よし!まずはマホがライトニングを照射しまくってくれ。嫌がるから恐らくコースが読みやすくなる。そこに精霊弓の爆発の爆発でガンガン攻めてくれ。」
「OKでありますです。」
「OKよ。聖一、あんたはどうするのよ?」
「俺?実はここまでの道中モンスターを大量に倒したおかげで10秒は飛べるんだよ。」
「10秒?!」
「すごいでありますです!!」
「だから、俺は2人がやってくれてる間に、力場とジャンプであいつらよりも高い位置まで行って落下しながら攻撃する。…んで、攻撃をキングドラゴンが嫌がって避けたら飛行能力で2、3秒飛んで目玉から入って脳みそを直接斬りつける。…そして次のドラゴンに飛び移って避けられたらまた2、3秒飛んで目玉から入って脳みそを斬りつけ、同じ行程で3匹目を仕留める。」
「わかったわ。にしても説明長いわね。」
「それなら倒せそうでありますです。にしても説明長いでありますです。」
(説明長くてごめん。)
「よし作戦開始!!!!」
「ライトニング!!」
光が伸びていく。
高速で飛び回るキングドラゴンの目に当てるのはなかなか難しい。しかしこれは当てることが目的ではなく嫌がらせをする事が目的である。
3体にライトニングを照射して嫌がらせをする事で飛行するコースを限定していく。
読みやすくなったキングドラゴンの飛行コースに目掛けて爆発が2連発で起こる精霊弓、爆発と爆発の矢を放つ。
ドカン!ドカン!
そこに飛んでいこうという飛行コースに爆発が起こるのでスピードを落とすキングドラゴン。
さらにライトニングの光が飛んでくるので嫌がって別のコースに向かう。
そこに爆発と爆発の矢を放つ。命中する事でさらに嫌がらせをしていく。
焦燥しきって疲れたキングドラゴン。
そしてそこに上から聖一が降ってくる。
目玉をえぐられて、そこから侵入されて脳みそを斬りつけられるキングドラゴン。
さらにもう一体に飛び移り、再び脳を斬りつけて、最後の一体に飛び移って脳を斬りつける。
(よし!!倒した。)
…無事に作戦通りキングドラゴン3体を倒す三人。
パチン!!
3人でハイタッチをする。
「あれ、ハイタッチした手に血がついてる。」
よく見るとマホは血まみれだった。
そして小屋にてしっかりゆっくりがっつり休息を取ってさらに上の階層にあがる。
木のツルで出来た階段を1000mくらい上がる。
次の階層のちょっと前に階段に腰かけて一休み。
「よし、いくぞ。」
階層を登りきると次への階段がない。どうやらここで最終階層のようだ。
(この部屋も高さが1000mくらいあるなー。あれ?モンスターはいないのかなー。ん、部屋の中央になんかあるな。なんだあれ?)
3人は部屋の真ん中に近づいていく。
「おいおいおいおい。まじかよ。」
「お、驚いたわ。」
「ま、まじか?でありますです。」
部屋の中央には、小さいビッグバンベヒーモスが木に絡み付いて、うっすら輝きを放っている。
(なんだよこれ。世界樹とちっさいビッグバンベヒーモスが絡み付いてるよ。なんだよこれどういう事だよ。)
「ん?なんか気のせいかな。したからエネルギーみたいのがわき出てそれが小さいビッグバンベヒーモスに吸収されてないか?」
「そう見えるわね。」
「そう見えるでありますです。」
エネルギーを吸収しながらゴゴゴと音を立てて振動し始めるビッグバンベヒーモス。
「もしかしてこれやばいかな?」
「かもね。」
「かもでありますです。」
(おいおいおいおい。これどう考えてもヤバイだろ。なんかエネルギー吸収してるよこいつ。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます