34.5話 脱出
34.5話 脱出
聖一は見事ビッグバンベヒーモスの脳天を内側から貫き、絶命させることに成功した。
(ひゅ~なんとか貫いた。ていうか、あれ?これどうやって出るんだ?)
ビッグバンベヒーモスは倒したがいまだに胃袋のなかにいる聖一。貫いた脳天方向にも道はあるはずなのだが……道がない。
どうやら脳天まで空いた穴のせいで筋肉が収縮して上半身はギュッとしぼんでしまったようだ。
「お尻の方から抜けるってこと?お尻の方から抜けるってこと?お尻の方から抜けるってこと?……まさかビッグバンベヒーモスを倒したあとにこんな強敵が現れるとは。」
聖一はやむなく胃袋からお尻の方へ抜けるルートで脱出することにした。
(食道より十二指腸の方がウォータースライダー感が強いな。)
胃袋の先の十二指腸は日本のテーマパークにあるようなウォータースライダーに瓜二つだ。
(カーブの感じとかがまさにウォータースライダーだな。)
胃液や胆汁まみれなので体が溶けないように、その辺に落ちている瓦礫をサーフボードのようにして横のりで滑り落ちていく。
「うおぉぉ!怖いけど気持ちいい!」
カーブを抜けてすこし進むと雰囲気が変わる。
どうやら十二指腸を抜けて小腸に入ったようだ。
小腸では大きなS字カーブのような道になっている。それに十二指腸より少しウネウネしている。
(小腸かな?ここでは立ってられなそうだな。)
横のりで乗っていた瓦礫に仰向けになる聖一。
ウィンタースポーツのリュージュのように滑り落ちていく。
「こここここ、こ、こわい!」
猛スピードで進んで小腸のぐにゃっとなっているところが滝のようになっていて、さらに加速する。
「うわわわ!」
そして大腸へ。
大腸はポン・◯・リングのようになっている。
(ここは膝のクッションを使って滑り落ちていくか。)
下り坂から登り坂、越えるとまた、下り坂から登り坂の連続を聖一は膝のクッションを使って器用に進んでいく。
ようやく越えると肛門だ。
(うわ!あそこはもしや?!!お尻の穴?!!く、くせー!!)
ブニュリとお尻の穴から見事生還する聖一であった。
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