31話 ビッグバンベヒーモス④
31話 ビッグバンベヒーモス④
ビッグバンベヒーモスにとどめを刺そうと顔の前まで行くも、体から熱エネルギーを噴射され吹き飛ばされる聖一。
熱エネルギーの直撃を受けて死ぬ寸前の聖一。
このままだと体が溶けたまま地面に叩きつけられ死んでしまうだろう。
(…こりゃ…さすがに…しぬか…)
「回復の光!」
マホから放たれた回復魔法が聖一の体を光らせる。
(マ…マホか…ありがとう……と…溶けた体が回復していく。………で…でもこの勢いで叩きつけられたら……どのみちヤバイな。)
マホが飛ばした回復魔法で体が治っていく聖一。
しかし700m上空からフリーフォールそのままに、地面に叩きつけられる。
しかし直前!
「爆発(弱)でありますです!!!」
地面にサクッと刺さった精霊弓の矢はボフ!という音を立てて爆発、その風圧で聖一の体は一瞬フワッと浮いた。
その後ドーンという音と共に地面に叩きつけられた。
「ぐ!いてててー。」
マホとシャマにより、聖一の命はギリギリ繋がったようだ。
しかしフラフラの聖一。
(やべ、血を失いすぎたか。)
「聖一ぃ!大丈夫ぅー?!」
「大丈夫でありますですか?!」
マホとシャマが聖一を心配している。
ビッグバンベヒーモスは大技を使ったからか肩で息をしたまま動きが無い。どうやらダメージと疲労があるようだ。
後方から馬に乗ったジャイとムスメがやって来る。
(ビッグバンベヒーモスの動きが無い。今がチャンスだけど体も動かんし、残った熱が凄くて近づけないな。……ん、ジャイとムスメ!こんな前線まで。危ないぞ。)
「聖一さん!受け取ってくだされ!」
「これも!」
聖一に向けてジャイとムスメがなにかを投げる。
「ん?」
パシッパシッと2人から投げられたものを受け取る聖一。
(これは!)
「増血剤と気力回復ポーションを混ぜたものですじゃ!」
「おにぎりなんだから!」
「絶対に死なないで下さいですじゃ!」
「死んじゃダメなんだから!!」
急いで後方に戻る2人。
(こ、これで動けるぞ!!)
「ありがとう二人とも!!ゴクゴク、モグモグ、ゴクゴク、モグモグ。」
(ふー、もうちょいしたら動けるぞ。)
ハネビト族に抱えられた冒険者部隊が水魔法をかけて、ビッグバンベヒーモスの熱を冷却する。
ジュワーという音を立てて熱が冷めていく。
「グゥオオー!!!!」
ハネビト族を嫌がり真上に咆哮を飛ばすビッグバンベヒーモス。
「わわわっ!限界だよーん!!戻るよーん。」
(ナイス!でも、これでもうハネビト族はビッグバンベヒーモスに近づけないな。警戒されてしまった。)
「作戦はここまでだな。ここからは俺がなんとかしないとな。もうそろそろ体も動くぞ!」
「グゥギャォ。」
俺も動けるぞと言わんばかりに、ポキッポキッと首の骨をならすビッグバンベヒーモス。
「おいみんなー!!!ここからは俺の勝負だ!!避難しろー!!!」
叫ぶ聖一。
1人立ち向かおうとする聖一。
「バカ。私もいるわよ。みずくさいわね。仲間なのよ!」
「本当です。いるでありますです。仲間です!」
横にはマホとシャマ。
「2人とも!…すまん。正直助かる!!ありがとう!!!」
聖一はマホに支援魔法をかけてもらう。
「マホ支援魔法ありがとう。」
「良いのよ。こいつを倒して皆で生きて帰るのよ!」
「そうだな。」
(マホがいると安心するな。)
「よし。マホとシャマ!すまんが足元を狙ってくれ!!」
「わかったわ!」
「わかったでありますです!」
(さてこの巨体とどう戦おうか。)
「防壁はもう無いし、ハネビト族も近づけない。でも俺はパルクールの王者だ!!!なんとか肉迫する!!やってやるよ。」
「グギャオオオーー!!!」
向かってくる聖一にたいしてパンチの連打を浴びせるビッグバンベヒーモス。
(うおぉぉ!こいつこんなデカイ体でなんちゅう連打打ってくるんだよ!??……さて大見得を切ったはいいが果たして勝てるか?いや勝つんだ!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます