第6話【確かめてみる?】

「先にお風呂入るか?」

「え? 良いの?」

「ああ、俺は出るついでに風呂洗いをしたいからな」

「そっか、じゃあお言葉に甘えて先に入ろうかな」

「…………てか彩花、お前着替えはどうするんだよ。学校帰りに来たから持ってないだろ?」

「うん、持ってきてないよ。だから悠太の服借りるね」


 そう言って彩花は引き出しをあさり始めた。


「なんでもいい?」

「別に良いけど」

「じゃあこれにしよっと! じゃあ入って来るね。一緒に入りたくなったらいつでも入って来ても良いよ」


 そう言って彩花は脱衣所へ入って行った。


「…………敷布団あったよな」


 彩花が泊っていくのはまぁ、良いとして。問題は寝る場所だ。

 ベッドは彩花が良いと言うなら彩花に寝かせて、俺は敷布団で寝る。

 

「あ、あった」


 ベッドを買う前に使っていた敷布団、家から持ってきておいて良かった。


「ここで良いか」

 

 敷布団を敷いてから数十分後、脱衣所から彩花が出てきた。

 その間、俺は部屋の掃除をして時間を潰していた。


「悠太、出たよ」


 そう言って駆け寄って来た彩花はTシャツ一枚……の様に見えているだけなのか、下を穿いているか分からない姿だ。

 俺と彩花の身長差は二十センチはある。

 

「どう? これが彼ティーってやつだよ?」

「……なぁ、下は穿いてるんだよな?」

「…………確かめてみる?」


 そう言って彩花はTシャツの裾を持ち、ゆっくりと上に持ち上げた。


「い、良いから。ちゃんと穿いていて、俺の事を揶揄ってるだけだろ?」


 彩花の事だ、穿いていなかったらそんな真似するとは思えない。


「あーあ、もう見せてって言っても見せてあげないんだから」


 すると彩花は俺に近づいてきて俺の耳元で囁いて来た。


「穿いてないよ」

「……は?」

「あ、下着はちゃんと穿いてるよ? 下はね?」

「……上は?」

「付けてないよ?」

「付けろ! そして下も穿け!」


 俺は急いで引き出しをあさり、半ズボンを取り出した。

 

「ほら、これ穿け!」

「えー、やだよ」

「何でだよ」

「だってこっちの方が涼しいもん」

「……じゃあ上は付けろよ」

「えー、付けてない方が柔らかいよ?」

「なんで俺が揉む前提なんだよ」

「え? 揉まないの?」

「揉まないわ!」


 すると彩花はにやりと笑った。


「あんなにがっついて揉んできたくせに? 興味ないみたいな事言ってもね~」

「あれは彩花が揶揄ってくるからだろ」

「でもあんなに沢山揉んでくるかなぁ~。でもまぁ悠太も男の子だもんね、分かるよ」

「うるせぇ、また揉むぞ」

「そんな事言って~、本当は揉みたくて仕方ないんでしょ?」


 そう言って彩花は一歩ずつゆっくりと俺に近づいてくる。


「きゃっ! ちょ、ちょっと何するの!」

 

 俺は彩花の胸を揉んだ――わけではなくビンタした。

 下着を付けていないからか、彩花の胸が揺れた。


「もっと大切に扱ってよ!」

「大切なら軽々しく揉ませようとするな!」

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