リグレット:一樹の苛立ち

 誰が早織を自分のものに出来るか競うグループ

 参加者 健吾・勝太・弘人・いおりん♪・かず


 伊織『ちょっと危なかったけど、まあ取り合えず結果発表だね』

 健吾『はい』

 かず『お願いします!』

 伊織『まず、審査してくれた人を紹介しておくわ。前、みんなが家庭教師した子たち。覚えてる? あ、でも他の人の子は知らないのか。じゃあ、写真で紹介するわ』

 伊織『*写真を投稿しました*』

 伊織『まず、一番左っ側のめちゃめちゃカワイイ子が平良真緒。で、左から二番目が星朱。で、三番目が鍵山樹莉。で、一番右っ側が高杉あずき。オッケーですか?』

 弘人『覚えました。星さん、怖かったです、正直……』

 伊織『そんなこと言っていいの?』

 弘人『すんません!!』

 勝太『一番左側の人、めちゃめちゃかわいいじゃないっすか! あの子、誰とだったんですか?』

 健吾『ore』

 勝太『マジ?!』

 健吾『マジよ』

 伊織『あれ? じゃあ早織のこと諦めてそっちに行っちゃう?』

 勝太『あ、いや、それは』

 伊織『ま、いいか。じゃあ、結果発表しましょうか』


 伊織『四位・勝太 三位・弘人』

 伊織『二位・一樹 一位・健吾』


 伊織『以上の結果となりました』

 健吾『よし』

 勝太『マジか、俺最下位……涙』

 弘人『三位か。最下位よりはましだな』

 かず『おはようございまーす』

 かず『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー?!』

 かず『意味わかんないんですけど?!』

 かず『どういうことっすか?!』

 伊織『現在の点数は、一位・健吾・八十七点、二位・勝太七十七、三位・一樹・三十、四位・弘人・二十四』




「おかしい! 絶対におかしい!」

 一樹は不満を爆発させていた。

「僕が料理で負けるなんて、そんな、そんな、そんな!! おかしい!!!!」

 机を何度も叩く。伊織先輩は神だと思っていた自分が間違えていた。

「ふざけるなぁっ!!」

 壁を何度も蹴る。指の先が痛くなってきたが、それでもお構いなしに。

「最悪だぁっ!!」

 ピコンとLINEの通知音。

 見る気にもなれない。

「んだよぉ! おかしいっすよ!!」

 ピコンピコンピコン……。

 そろそろイライラしてきた。

「なんすか……っ!」

 乱暴に画面をタップしてみる。すると。


 伊織『それじゃあ、みんなの料理に寄せられた感想を紹介しまーす』

 伊織『まず、健吾君は、真緒ちゃんが「最後の仕掛けにビックリした。めちゃめちゃ嬉しくて泣きそうになった。しかも、すごいパラパラで具も美味しかったし、色んな具をお好みで乗せられるのもいいなぁと思った。健吾君最高!」ってこと。で、朱ちゃんは「最後の仕掛けにはびっくりした。味付けが好みで、パラパラしてて美味しかった」樹莉ちゃんが「まさか一番最後にあんなものがあるとは思いもしませんでした。すごいビックリしたけど、これは天才だなぁって思いましたし、味もすごい良かった。具のバリエーションがいっぱいあるのが嬉しいですね。野菜もたくさんあってすごい。うぃずらぶって感じの絶品!」おぉーいい感想ですね。で、最後にあずきちゃんが「シンプルに感動。これ、恋人がいたら作ってほしいなぁと思えた。あと、なにか付け合わせがあったりしたらいいなぁと思うのと、私の舌はもう少し濃い口の方が良かったなぁと感じた」ってさ』

 健吾『おーすごい』

 健吾『やったぜ!』


 ウザイ。最後のあずきキュン以外はみんな大絶賛じゃないか。そもそも、仕掛けってなんだ。


 伊織『じゃ、僅差で二位だった一樹君の感想。まず真緒ちゃんが「めちゃめちゃオシャレで、しかも美味しい! 三種類も様々なソースが作れるのはすごい天才だなぁと思いました。レストラン開いても行けるんじゃないかなぁ? 健吾君のを食べる前は美味しさで、ダントツの一位でした。健吾君との差は、うぃずらぶの差かなぁ?」朱ちゃん「味は完璧。見た目も完璧。材料も完璧。料理の腕前も完璧。あとは、料理の込められた思いの差かなぁ。思いで言ったら、四位の勝太君よりも愛が籠ってない」樹莉ちゃんは「特にいうことはありません」で、あずきちゃんは「美味しかったけど、思いの差かな。純粋な美味しさとか、料理としてのクオリティで言ったら絶対にダントツの一位だった。まあ、どっかの料理コンテストとか出たら優勝かもなぁ」』


 ――そうか……。僕には、早織ちゃんのハートを寄せ付けるラブが無かったのか……。




 個人トーク:早織 勝太


 早織『あのさ』

 早織『ちょっとさ、さっき自分の家行ったらさ、勝太君の声したんだけど』

 早織『しかも、謎の料理がいっぱい並んでたんですけど』

 早織『これはどういうこと?』

 早織『おーい』

 勝太『はい?』

 早織『どういうこと?』

 勝太『いや、知らねぇ』

 勝太『その時、俺、家でゲームしてた』

 早織『さっき、ゲームしてたっていうときに、前のメッセージから間空いたのはなんで?』

 勝太『いや、別に。別の人からメッセージ来たからさ、それに対応してた』

 勝太『あれ、返事は?』

 勝太『そっちから聞いてきたのに、既読スルーはやめてくれ』

 勝太『おーい』

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