どれだけ手を伸ばしても届かないもの

 それぞれ天才と秀才、ピアノを弾くふたりの高校生(大学生)のお話。

 なんかもう読み応えの塊みたいな現代もののドラマです。
 すごかった……心の柔らかいところにビリビリグサグサ来ちゃう……。

 絶対に手の届かない、住む世界の違う天才に焦がれ、やがて憎みすらする男ってとっても素敵ですよね!
 という、ただの傍観者(いち読者)としての素直な気持ちと、
「でもそれはそれとして我が事として読んじゃってフラフラになりました」
 という感想がないまぜになって、大変良い読書体験をさせていただきました。

 もったいないので内容については触れません。もう直接読んじゃうべき。3,000文字なのでサクッと読めちゃいますし。
 やりきれないし割り切れない、思いや執念のようなものがみっちり詰まった作品でした。この紹介でビビッときた人は絶対読んで損はないはず!