日曜日の彼女(甘やかし系お姉さん)
……あら、目が覚めたのね? うふふ、まだちょっとぼんやりしてる?
うん、うん……そうね、もうお外は夕焼けで、もうそろそろ暗くなっちゃう頃ね。
でも、何にも焦ることなんてないわよ。もう少しこのまま、日曜日お姉さんの膝の上でゆっくりしてましょうね~……。
……そう、今週のお休みはとっても楽しめたのね。
土曜日ちゃんとお姉さんのお陰? うふふ、そう言ってもらえるとお姉さんも嬉しいわ。
疲れて、くたくたで、もうだめだ~……って、そんなになるまで頑張ったあなたのことをこうやって優しく受け止めてあげるこの瞬間が、お姉さんに最高の幸せを感じさせてくれるの。
だから、あなたもお姉さんに思いっきり甘えちゃっていいのよ? お昼寝が足りなかったら、もうひと眠りしちゃう?
え……? どうしたの、そんなに切ない顔をして。
……そう、そうなのね。お姉さんとお別れするのが、そんなに辛いんだ?
うん、その気持ちは私も一緒よ。私ももっとこうしてあなたを癒してあげたいし、もっと優しくしてあげたい。
でも、でもね……それは許されないの。時の流れは残酷で、どんなに願っても止まってはくれない。明日からはまた新しい一週間が始まる、これは世界の摂理なのよ。
それに、毎日が日曜日っていうのは一見幸せそうに見えるけど、実際はそんなことないわ。
ずっとだらだらして、何もしない毎日を過ごして、甘やかされてばっかりいたら……あなたはだめになってしまう。
一生懸命頑張って、大変な毎日を乗り越えて、そうして訪れた休日にこそ価値はある。お姉さんが好きなのは、そうやって頑張るあなたの姿なのよ。
……うん、そうよね。そんなの私に言われなくったって、あなたもわかってるわよね。
でも、どうしても日曜日のこの時間は辛くなって、お姉さんとのお別れが惜しくなっちゃうのよね?
だったら……こう考えてみて。
明日が来れば、また私たちに会える、って――。
月曜日ちゃんに火曜日ちゃん、水曜日ちゃんも木曜日ちゃんも金曜日ちゃんも、毎日頑張るあなたを応援して、お家であなたの帰りを待ってくれてるわ。
みんなに励まされて、大変な平日を耐え抜いたら、土曜日ちゃんとお姉さんの出番。また一緒に遊んだり、甘やかしたりしてあげるから……ね?
……私たちは、一週間に一日しかあなたと会えない。あなたと過ごすことができない。
だからこそ、私たちと過ごす一日一日を大切に想って、毎日を過ごしてほしいの。
……ねえ、あなたは私たちの中で、誰と過ごす一日が待ち遠しい?
ちょっぴり小憎らしいけど、新しい一週間を迎えるあなたのことを一生懸命に応援してくれる月曜日ちゃん?
まだまだ身が入らない週の始まりを気合全開で応援してくれる、全力乙女の火曜日ちゃん?
クールで、冷静で、だけれどもあなたのことが大好きな水曜日ちゃんもとってもかわいい子よね?
少~しだけ印象が薄くて卑屈だけど、ラストスパートを懸けるあなたの希望になってくれる木曜日ちゃんも素敵だと思うでしょ?
一週間の終わり、大変な平日の終焉を教えてくれる大人な金曜日ちゃんも好きに決まってるわよね?
そうして迎えてくれた休日を思いっきり満喫するためにあなたと一緒にはしゃいでくれる土曜日ちゃんもいい子だから迷っちゃう?
もちろん……あなたを甘やかしたくって、癒してあげたくって、一週間ずっと待ち続けてる日曜日お姉さんも……好き、よね?
うふふ……! そうよね、今すぐに誰か一人を選ぶだなんて、到底無理な話よね。お姉さん、ちょっと意地悪な質問しちゃった。
焦る必要なんてないもの。これから先、何年も何十年も、あなたは私たちと共に過ごしていく。
その中で、あなたが私たちの中から一番だと思う相手を見つけてくれれば、それでいいのよ。
明日からはまた、月曜日ちゃんたちと過ごす一週間が始まる。
だけど、だけどね……今はまだ日曜日、お姉さんと一緒に過ごす時間は、まだ残ってるのよ?
だからもう少し、このままお姉さんのお膝の上でのんびりしていましょうよ、ね?
お別れの時が来るまで、お姉さんが優しく撫でてあげるから……。
……うん、いい子、いい子ね……。寂しくなんかないわよ。また来週、会えるんだから。
明日からもまた、頑張れるわよね? あなたは強い子だもの、大丈夫よね?
……うん! 本当にいい子! お姉さん、もっともっと頭をなでなでしてあげちゃう!
さあ、来週は何をしましょうか? どこかにお出掛けするのも、お家でのんびりするのも、どっちも楽しそうで迷っちゃうわね。
お姉さんと過ごす日曜日のことを想像しながら……また一週間頑張りましょうね。
あなたならできる、私はそう信じてるから……ね?
だから今はお姉さんに甘えて、気力を養いましょう。
大丈夫よ、まだまだ日曜日は終わらない。お姉さんもずっと、あなたの傍に居てあげるからね……
―――――
明日の夜に最終話が投稿されます。
楽しみに待っていてください。
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