第8話

 人質を逃した後、須藤は力ずくで詩から離れ、サバイバルナイフで詩を刺そうとしたが、早太郎に憑依された詩は交わしてサバイバルナイフから逃れていた。

「コイツ化け物か」

 須藤は舌打ちをし、

「お前、皆逃げたからイライラしてるだろ?残念だな!世の中はお前の思い通りなんかにはならないんだよ!」

 詩は声高らかに叫び、須藤に飛び蹴りをしようとしたが、須藤が詩の飛び蹴りを交わし、詩は派手に地面に落ち、捻挫をした。その隙に須藤は詩を刺そうとした。


 一方、ホテルから脱出した従業員や客は警察に今まであった事を話し、警察はすぐ機動隊を出動させた。

 事の成り行きを見ていたひかり達は

「詩、大丈夫かな…」

「大丈夫だよ!ひかり!」

「そうだよ!きっと上手く隙を見つけて逃げたかもしれないよ!」

「そうね!知里、夢見!」

 お互い詩の無事を祈っていた。


 詩は捻挫した足で頑張って立ち上がり、須藤のサバイバルナイフを交わしていた。しかし、バランスを崩し、倒れた。それを好機と捉えた須藤は、サバイバルナイフを振り上げた瞬間、突入してきた機動隊の1人が止め、須藤は連行されて行った。

 機動隊に連行されて行った須藤の背中を見た詩は、気絶し、目を覚ました時は病院にいた。

 自宅へ帰り自室に入った詩は、手に持っていた早太郎が憑依していたぬいぐるみを手に持ち

「早太郎、返事して」

 しかし、ぬいぐるみは返事をしなかった。

「早太郎っ!」

 いくら言ってもぬいぐるみは何も言わなかった。

 それでも詩は何度も呼んだが、結果は同じだった。諦めた詩は、ぬいぐるみを机に置いたが、

「一実坊弁存」

 そう声がし、詩は振り向き机へ駆け寄った。

「早太郎いたのね!」

「あぁ、まだやり残した事があったから戻ってきた」

「やり残した事?」

「それはな、一実坊弁存とまた悪い輩を成敗するためだ」

「はぁぁぁぁ⁉︎」

 詩は叫んだ。

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オー・マイ・ハヤタロー 目黒恵 @meguro831

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