別れの日

 今日でお義姉さんともお別れなのね。



 え? 悲しくないわよ。



 私が今までどれだけの子達を見送ってきたと思ってるのよ。


 それに、お義姉さんは好きな人と暮らすんでしょ?



 「つがい」になるってことじゃない。それってすごく素晴らしいことよ。



 いいなぁ……私も早く……。



 コホン。


 

 だ、だから喜んで見送るわ。お義姉さんのこと。



 お義姉さんとはアナタほど接していないしね。


 一緒にお出かけするのもアナタの三分の一くらいだし。


 一緒に寝ることなんてほとんど無かったし。

 


 別に寂しくなんてないわよ?



 お義姉さんって本当、気まぐれな人なんだから。私だって今まですごく大変だったの。



 お義姉さんがオシャレしてる時に近づいたら、キャアキャア言いながら逃げだすし……追いかけっこみたいで楽しかったけど。



 考えてみれば私だって色々なことをされたわ!



 たまーに思いついたかのように私のことワシャワシャワシャってくすぐってくるし!



 突然私の体を持ち上げてダンスを踊ったりするし。



 ホント、そういうのが無くなるなんて清々しいくらいだわ。



 ホント、むしろ嬉しいくらい。



 ……。



 うぅ……やっぱり寂しいよぉ!



 お義姉さんとまた会える?



 ……うん。分かった。



 あ、あの。

 


 アナタはずっと一緒にいてくれるわよね?



 本当?



 約束ね。

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