最終話まで拝読しました。
初めはダークな雰囲気と美麗なイラストに惹かれて読みに来たのですが、緻密に練られた世界観と、息遣いまで聞こえてきそうなくらい魅惑的に描かれた登場人物たちの活躍に一気に引き込まれてしまいました。
映画でも見ているかのように掴みやすい情景描写に、『こういう人いるいる!』と思わず感情移入してしまうキャラクター描写。これらは作者様の素晴らしい筆力と人間観察の力から生み出されたものなのでしょう。史実を下敷きにした物語のそこかしこから作者様の高い知性が窺えます。
読み進める度にもう登場人物皆が愛おしくなって、苦しい展開の時には涙を流し、幸せな時になニヨニヨしてしまう。はい、こちら読者の感情を激しく揺さぶるジェットコースターのような物語です。遊園地のシーンから始まるのでこの例えでも問題ないはず……!!
読後感そのままに感想を書き連ねてしまいましたが、最後にひとこと。
みんな、読もう!
完結してるから一気読みできるよ……一気読みはいいぞ……!!!
主人公キングの母は薬物中毒、父は日常的に暴力を振るう小児性愛者。
そんな家族が暮らしていたのは人身売買組織の息がかかった廃墟同然の集落。
それは少年の心に宿った人殺しの感情を正当化するには十分な環境だった。
やがて両親を殺害し、死神すら手玉に取ってその力を手に入れたキング。
彼なりの正義を、生き方を模索し始めるが、”運命”はカードを提示し続け、否が応にも世界の真実へと彼を呑み込んでいくのだった――
主要登場人物たちは、皆、不幸を抱えながら、何かを求め、さまよう。
その狂気、苦悩、悲しみ、暴力、虚無、或いは傷付き、倒れる様に顔を背けたくなることもあるだろう。
けれど、どうか目を背けずに彼・彼女たちを見届けて欲しい。
そうすればきっと、あなたの心には鐘の音が鳴り響くことだろう。
希望に満ちた平和の鐘が。
両親を殺した少年の前に現れたのは、死神だった。
少年は死神を出し抜くと力を乗っ取り、人身売買される子供達を救うべく立ち上がる。
プラチナブロンドとサファイアブルーの瞳を持つ少年――キング。
美しき少年は、地獄への道を突き進む。
登場人物がそれぞれに闇を抱え、戦い、傷つきます。
心が壊れそうになりながらも、決して歩みを止めず、平和を求め、それぞれの正義の為に戦う。
そして、子ども達の笑顔の為に――!
とある登場人物の心を埋めるように愛を求める姿がまた、辛い。
ですが、是非ともラストまで見届けていただきたい。
最高のエンディングが、そこにあります。
第三章まで拝読させていただきました感想です。
舞台は冷戦前後の激動の時代。歴史上の中、上手く組み込まれたファンタジー…
描写は読み手のこちらさえ痛む程の場面があります。しかしそこもまた彼らが本当にその時代に生きていたと思わせるくらいで、そんな世界観に飲み込まれてしまいました!
殺伐とした中に神々しい容姿と死神の能力は圧倒的なのに、ところどころに見る年齢、少年らしい一面が垣間見ることができ、感情移入してしまいました。
主人公の周りの子も壮絶な経験をし、悩みながらももがき生きる姿が美しく見えました。
ヒロイン(カイン)救出と魔術師が主人公へ託す場面が印象的です。
特に魔術師という人物は最初期飄々とした、雲のように掴みどころのない人物って感じに見えたのですが、話が進む事に主人公キングの教師であり父の様な存在にも見えていきました。
戦闘面などなどチートレベルなのに料理とかはからきしなのも惹かれてしまうポイントでした!
可哀想は美しい、可愛いという方々は刺さるやも。
誰もが意地汚く生きるその様。是非ご一読ください。
現在公開されている第三章女帝の行方まで拝読したレビューになります。
人身売買を生業とする集落に生まれ落ちた少年・キングの凄惨な生い立ちから始まる衝撃的な本作。目を背けたくなるほど生々しい描写は、強い酒をロックで一気飲みして喉が焼けるような感覚ににている。それと同時に、砂糖たっぷりのチョコレートを胃もたれするほど食べたような依存的な多幸感も感じられる、まさに劇薬。
死神の力を強奪して人身売買から子どもたちを救うキングはまさにダークヒーローですが、一方で学校や家族など、ありふれた日常に憧れてそれを逆手に取られてしまうような十五歳の純真な脆さもまた、彼の魅力です。
そんなキングの周りのキャラクターたちもまた、悲惨な生い立ちを抱えながら人の命が等しく軽い世界の中で必死に抗っています。この人間ドラマも見どころです。
一寸の隙もなく綴られる文章は、触れたら血が出てしまいそうなほど洗練されています。死神と特別顧客の存在が歴史のピースと繋ぎ合わさった時のゾクゾクは圧巻でした。戦闘も無駄なくスピーディーで秀逸。もはや文章力の暴力です(褒めてる)。
この刺激的な物語を読む上で私が注目していただきたいのは、「家族の形」です。物語には様々な家族が出てきます。キングを虐げていた家族から始まり、非道徳的な血の繋がりのある家族、血が繋がっていなくても相手の幸せを願える親子、共依存で壊れてしまった兄妹……。
様々な家族の形が描かれた先に、美しく悲しい兄弟が辿り着く選択に想いを馳せながら、次の更新を待ちたいと思います。
物語は、美しい少年キングが死神の力を奪う所から始まります。
最初は、オムニバス形式。
ぞくぞくするような、恐ろしい事件の数々が描かれています。
そしてその数々の事件、出会った人物、場所……全てが次第に複雑に絡み合い、大きなうねりに飲み込まれていきます。
第二章以降は、更に深い闇が明らかになっていきます。
登場人物たちの生い立ちと、目的とは。
特別顧客とは? ブラックダイアモンドとは?
張られた伏線の数々と、背筋が凍るような残酷な世界観。
人身売買、洗脳、虐待……地獄のような世界で、キングは何を思い、何を為すのか。
読む人は選ぶのかもしれませんが、一度嵌ってしまえばもう抜け出せないような、中毒性のある作品。
恐ろしくても、目が離せなくなってしまいます。
続きはぜひご自身の目でお確かめ下さい。
(追記)
ラストは必見です!
詳細は言及を避けますが、私から言えるのはひと言。
――平和の鐘に幸あれ。
この小説を例えるならば『劇薬』。
飲んでしまったならば、飲み切るまで喉元を焼かれるような、そんな劇薬です。
それでも、新話が投稿されるたびに、我先にと飛びつき、苦しいとわかりつつも手を出してしまう位に魅力的な作品です。
そんな作品の中に出てくる主人公・キング。
最初は圧倒的な強キャラでオムニバス形式の話が展開されるのですが、
ある時からオムニバスではなく一本の作品として話が展開されます。
勿論、その一本の話にはオムニバス時に張られた伏線がうまく噛み合わさり、最終的にはキングを上から見下ろしていた強キャラからプレイヤーへと転じさせます。
ここがもう、圧巻。本当に、最高に苦しくて、最高に面白い。
その後も、キングという劇薬の薬効が国へと回り始め、壮大かつ恐ろしい地獄が展開されます。これがもう、たまらないんですよね。
読むたびに、アドレナリンが出ます。
勿論、魅力的なキャラクターはキングだけじゃなくて、沢山出てきます。ただ何を言ってもネタバレになりそうなので。
私はジョージが好きです。そして、彼の活躍をずっとずっと楽しんでみています。
それ以外は読む楽しみにしてほしい。
とにかく、本編を読んでほしい、この劇薬を皆で一緒に飲んでほしい作品です。
超然としていても渇望に満ちて、聡明であっても熱く、美しくも妖しく、強くあっても儚げな本作主人公のキング。
陰と陽、正と逆、双方の描写が見事です。
プロローグの舞台は、華やかだった遊園地の侘しい跡地。そこで、名前すら親から授かられなかった底辺の少年が、人智を超越した死神の力を手に入れキングと名乗りを上げる。
序盤は単話完結方式で、キングが死神の力を使い日常を浸食していきます。
凄惨な虐待で人間性を奪われたキングが求めるのは、服を得て、学校に通い、家に住むこと。どこか壊れたキングの底知れない仄暗さと共に描かれる、普通の生活への渇望が切ない。
そして、とある邂逅からキングが欠落していた人間性を取り戻した時に、ダークヒーローとしての使命に目覚めます。しかし、同時に人としての脆さも手に入れてしまう。
超然とした、死神としてのキング。同じような境遇の子どもを助けようと奔走する人間としてのキング。キャラクタたちの二面が丁寧に描かれています。
時には仲間を得て、時には仲間を失い、それでも平和の鐘が鳴り響くその日を目指して戦い抜くキングの軌跡に、きっと熱くなるはず。
感動のラストまで、是非読んでもらいたい。
最新「塔の住人たち-Ⅳ」まで拝読。
魔法などの特殊能力が出てくる世界が舞台ではありますが、新興宗教や、養護施設と見せかけた人身売買組織の暗躍、その裏に潜む大統領一家などなど。
濃い社会派サスペンスの様相を呈した一作です。
大きなストーリーの流れとともにキャラクターの個々のエピソードが重ねられ、誰と誰が裏でつながっているかが次第に分かってきたりして読みごたえがありました。
主役であり、かなり力を持つキングの出生の秘密が明らかになります。
完璧すぎるダークヒーローだとなかなか感情移入が難しいと思うんですが、真実が判明していく過程でキングの少年らしい心の揺れが垣間見えて、物語に深みが出ているなぁと感じました。
今後は、クロエがどうなるかが気になるところ。
今までは『ブラックダイアモンド』として特別扱いされていましたが、お姉さんの存在が出てきて一筋縄ではいかなそうですね。
キングや、カイン・レイラたちとどう絡んでくるのでしょうか。
物語はますます波乱の展開になりそうです!!
ふとしたきっかけで第1話の短編を読み
一気にキングの大ファンとなりました
(ある時からking fanを名乗らせてもらっています😅)
今や魅力的な登場人物が増え、各々が私の頭の中で動き出しています(妄想)
その期待の遥か上をいく展開が私の最高の楽しみとなっています
映像化して欲しいです
私は文章が拙いのでこうやってレビューを書く事を躊躇っていましたが
応援している意志を伝えたい一心で勇気を出して今、こうやってレビューを書いています
(毎回、拙いコメントに返信をありがとうございます)
とにかくキングが好き
そしてこの世界観そして登場人物の背景、心の動きなど私の目を引くものばかりです
またアクションシーンのダイナミックさも、私が大好きな要素のひとつでシーンが目に浮かびます
話は戻りますが、心の動きで着目しているのは、この物語の重要な要素である”罪悪感”を人間と死神のハーフのキングがどう克服していくのかというところです
魅力的な各登場人物との狭間の中、キングの成長と共に私はこの点に着目しつつ、大好きなキングの変化をじっくりと味わっています
あと先日あたりからコメントに書かさせて頂いていますが"魔術師"が好きです
キングとは別の意味で大好きです
大人の落ち着いた感じと余裕?どこかから滲みでている優しさ?
これからの展開を楽しみにしています✨
すごいです!! 何コレ!? すごい!!
圧倒的麗筆。
広大かつ残酷な世界観。
身の毛もよだつような、それでいて美しい描写!!
一生かかっても追いつける気がしない!!
私が一人目の文字付きレビューアーになれてよかった!!(クソデカ感情)
各話(5,000~15,000文字)ごとに必ずあっと驚くどんでん返しがくる、珠玉のオムニバスです。
で、その『オムニバスを装っていた第1章』が中・長編めいた物語性を帯び始め、後戻りできない地獄の底へと転がり始める第2章で、第1章での登場人物たちや、さりげない描写が巨大な伏線となって襲い掛かってくるのです!
内容は、この世の地獄で生を受けた美しき少年・キングが死神を騙して力を掠め取り、悪人どもを相手に、あるいは遊び、あるいは戦う――という極めてダークな物語。
最新話では、吐きそうなほど胸がムカムカしながらも、それでもスワイプする指を止められませんでした。
……いやぁ、これはすごいわ(語彙喪失)。