第7話 太陽の花3

「何?僕急いでるんだけど。」

ヨハンは、振り返ると立っていた小柄な輝くようなブロンドのロングヘアをポニーテールに結んだ、明るい印象の女子生徒に言う。

可愛らしく明るい容姿で、ブロンドの黄金と白い透明感のある肌が太陽のようだったが、女子が得意なわけではないヨハンは単にそれだけの感想で心惹かれたわけではなかった。


「私、イザベラ。あなたと同じオットー先生についてるの。、、特待クラスではないけど。あなたの後にレッスンだし、行くの初めてでしょ?案内するから。」


「え?要らないって。教室ならわかるよ。個人レッスンは確かに編入してから初めてだけどさ。」


ヨハンは困惑するが、イザベラは明るい笑みでこちらを見上げ、いきなりヨハンの左手を取ってきた。そのままゆっくり歩き出す。


「なっ!何するの?いきなり。」


「指、痛そうだわ。絆創膏少し取れちゃってるし。保健室寄って行こうよ。

、、その、オットー先生からも言われてるの。

私あなたとクラスも同じだから、話すように。ね?良いでしょう?」


「う、、うん。ありがとう。

でも、手は離してよ。恥ずかしいし、女の子がそんな気安く男に近寄るべきじゃないだろ。」


ヨハンは恥ずかしさと照れが混じり,ぶっきらぼうに言いながらイザベラの手をそっと離す。


転入してから初めて話した生徒である彼女は、いつも何か考えてしまい、考えを閉じ込めがちな自分とは違い、まるで向日葵のように感じられた。はじめは太陽と思ったが、太陽ほど強すぎず、柔らかで可愛らしい笑顔が太陽の花を思わせた。

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