第6話 シスコン此処に極まれり

第6話


暇だ…


何やかんやあったとしても、時は無情に過ぎていく。


最近やり始めた鹿娘の育成ゲームのAPが無くなり、暇を持て余す俺が此処に居た。


あの後、本当に何も起こらず普段通りの日々を送っている為、腕輪を使う必要が無かった。


正直な所、怖いので余り使いたくないのだが…


そんな時、ふと俺のスマホがピロリンと鳴る。


「………誰だ……?」


其処には未來からのRainが来ていた。


色々と書いてあったのだが、要約すると…


『かまえ、遊べ、愛でろ。』


…こんな感じだった。


コイツは俺のペットか何かか?


「仕方ない、行くかぁ…」


今の俺の癒やしはコイツしか居ない。


………友達は居ないのかって?


コイツと先無しか居なかったですけど、何か?


男友達は、歳を取る度に少なくなって中学の前半から皆無になったよ…


…何でなんだろうね?


「場所はファミレスか…アイツ好きだな……」


…まぁ、俺も好きだから文句無いけども。


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「あっ、劔先輩!此方です!」

「おう、待たせて悪いな未來。」


と、元気に腕を全力で振って俺を呼ぶ未來。


その度に胸がダルンダルン揺れてるが、全くエロくないのは何故なのだろうか?


それと、そういうのは毎回止めろと言ってるだろうが!


恥ずかしいし、変な視線が寄ってきてるし…


「全く、お前はもう少し慎みを持て。」

「別に良いですよ、私にとってアレ等は居ないも同然なんで。」


サラッとそういう事言うな、お前…


まぁ、本人が其処まで気にしてないなら良いか。


いや、個人的に心配だし…


う〜ん……


「何か親みたいになってますよ、パパ劔先輩。」

「お前が娘なのは何か嫌だから止めろ。」


パパって呼ばれた瞬間ゾクッて来たわ。


正直、吐きそう…


「はは、ですね。自分でやっておいてなんですけど、少し吐きそうです。」

「自爆してんじゃねぇか…」


マルマ○ンかよ……


「…よし、無かった事にしましょう!で、何を頼みます?」

「そうだな…昼食も兼ねるつもりだから、適当にハンバーグとか頼んで、二人でポテトとか突き合うか?」

「ですね!後はドリンクバーも!」

「特製ミックスジュースは作るなよ?」

「ギクッ!?や、やや、やりませんですわよ!?」


ガチでやる気だったな、コイツ…


しかも、動揺しすぎてパクパクしてそうなエセお嬢様みたいになってるし…


帰ったら鹿娘やるか…


「…なぁ、未來。」

「何ですか、劔先輩?」

「少し聞きたい事がある。」

「…やっぱりですか。まぁ、何となくそんな気はしてましたよ。」

「察しが良くて助かる。お前は最高の後輩だ。」

「………ええ、私はそうですから♪」


と、嬉しそう反応を見せる未來。


しかし、ほんの少しだけ悲しそうな顔が見えた様な…


…いや、気の所為か。


それにこれから聞く事は最重要事項なのだ。


そんな事を気にしてる場合じゃない。


「何を聞きたいんです?例えば、あの神じ「妹は元気にやれてるか?」あっ、そっちの方かぁ……」


それ以外に何があると言うんだ?


妹だぞ?


俺の天使、俺にとって先無の次に大事な存在なんだぞ?


ちなみに3位は母さんで4位は未來だ。


「劔先輩が色々あったせいで、まぁまぁ暗い感じですよ。親友の私の前では気丈に振る舞おうと下手な三文芝居してますけどね。」

「……………………………………そうか。」

「気に病まないでくださいよ、劔先輩。」

「だが………」

「あの娘は任せて下さいよ。あのブラコンバカは私が何とかしますんで。」

「………解った。これからも妹を宜しく頼むな、未來。」

「言われなくてもそうしますよ、劔先輩♪」


本当に助かるよ、未來。


今の俺は母さんや妹すら女性認定して吐き気や苦痛が襲うからな…


何で俺は大好きな家族にも………


「…………あれ、お兄ちゃん?」


続く

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