第4話 思い出の場所

第4話


トイレにて逆流してきた物を吐き、始末してから、未來の元へと戻る。


これ以上はコイツに心配かけれないな…


「今日はこれで帰るわ、じゃあな。」

「はい、劔先輩もお気を付けて。」


と、俺は未來と別れて、自宅へと向かう。


そんな中、とある場所の近くを通る。


「懐かしいな…」


其処には、古びた神社が在った。


鳥居は赤みが少しくすみ、本殿は空き家かの様にボロボロとなっている。


まぁ、此処は俺達が小さい時からそうなのだが…


「よく遊んだ物だな…」


境内が広いので、先無と二人で色々な遊んだ物だ。


まぁ、妹や未來とも一緒に遊ぶ様になってからは、あまり来なくなり、小学の高学年になってからは全く行かなくなったなぁ…


「少し寄るか…」


懐かしさを感じながら、境内へと鳥居をくぐって入る。


うん、全く変わってない。


まるで、時が止まっているかの様だ。


「よいしょっと、良い雰囲気だな…」


俺は座り込み、この境内に流れる雰囲気を楽しむ。


昔を懐かしむ様に、昔に戻ったかの様に…


「ヤバい、眠くなってきたな…」


その心地良い雰囲気のせいで眠気が俺を襲ってくる。


あっ、もう無理………


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「おきておきて!」

『いや、眠ったままでも構わないのでは?』

【ドチラモスキ。】


煩いなぁ…


何か女の声が2、3人くらい聞こえる…


…えっ、女!?


(一体、誰が!?)


慌てて起き上がると、其処には3人の女性が居た。


一人は小さな幼女みたいな子で、昔の人が着ていた様な服を着ていた。


もう一人は綺麗で清楚な感じの眼鏡女子で、出来る大人みたいな感じだ。


スーツって、こんなにエロいのか…


で、最後の一人は明らかに金髪外国系美女に見えた。


胸も大きいし、背が高いし、尻も大きい。


うん、エロい。


あの気持ち悪い呪術師の言っていた好みは、案外良い物なのかも知れない。


…って、あれ!?


(何で気持ち悪くならないんだ!?)


まさか、コイツ等も未來みたいに例外なのか!?


型月じゃあるまいし、そんなに例外がある訳が…


「わたしたち、ひとじゃないもん!」

『君の症状は君と同じ枠組に対して発動する物だ。私達は例外などではなく、そもそも範囲内に入っていない。』

【ソウダヨ、ダカラアンシン♪】


訳が解らない。


おそらく、彼女達は自分の事を人外だと言っているのだろう。


だが、そんな事が現実に…


「ちゃんとげんじつ?だよ。」

『ああ、見える物だけが全てではない。それに君が見えている物だけが真実とは限らない。何時だって、君達の隣には誰かが居る物だ。人や動物、私達の様な人ならざる異物達がね…』

【ズット、サミシクナイヨ♪】


怖いし、恐い。


言い知れぬ恐怖感が俺を襲う。


理解わからないし、理解できない。


だからこそ、心の底から怖いのだ。


俺はどうすれば…


「だいじょうぶだよ、おにいちゃん♪」

『そうだぞ、心配する事はない。私達は久し振りに君に会ったから、挨拶をきちんとするつもりだったのだ。怖がらせたのなら謝罪しよう。何分、人間と会話する事も久し振りなのだ、加減や出力の調整すらままならなくてね。』

【コワクナイヨ!】


信じられない。


でも、何処か信じても良い様な気もするのだ。


…いや、待て。


コイツ等、久し振りと言ったか?


「そうだよ♪さびしかったんだから!」

『君にも事情があった訳なのだろう。私達は不満こそ覚えてはいるが、責めはしない。むしろ、ちゃんと来てくれた事に感謝してる位だ。改めて、久し振りだね十六夜 劔君。』

【ワタシ、ウレシイ♪】


そして、眼鏡女子がゴホンと息を付き、俺にこう告げた。


『私達が代表して、君に告げるとしよう。…問おう、君が私達のご主人か?』


…サーヴァントかな?


続く

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