#18




before




「もう6人目だね。うん。大丈夫だよ。いつもありがとね。ここまでくれば流石のボクも慣れっこさ。しかしパパの性欲は尽きる事を知らないね。いや、これはボクがあまりにも魅力的すぎるのが悪いのかな?ははっ、まったくボクの美貌にも困ったものだよ……なんてね……ああ、ボクは幸せ者だよ。こうしてアナタと出会えて、たくさんの子供たちに囲まれて……でも強いて不満を上げるとするなら……アナタが1人でSSランク冒険者になった事かな……まぁ、そのお陰でボクら家族はなんの不自由も無い生活を送れているわけだから、いつも感謝しているよ。だけど……その……2人でなりたかったかなぁーってね。それもこれも次から次へとボクのことを妊娠させるパパが悪いんだぞっ?本当ならボクも今頃SSランクで史上初のコンビでSSランクだったはずなんだからね?ふふっ……冗談だよ。夫は王都屈指の冒険者で、子供たちはみんな可愛くて、不自由無く豊かな生活を送れてる。不満なんてあるはずないだろ?こう考えるとボクはアナタに貰ってばかりの様な気がするね……ボクはアナタにこの幸せを返す事が出来ているのかなぁ……え?なら久しぶりに泣き顔が見たい?…………はぁ…………キミは何年経っても変わらないね…………もうボクもいい歳だよ?残念だけど、そんな無様に泣き喚くことなんてあるわけないじゃないか…………まったくキミと言う奴は……そういうところだぞ?」




after




「うわぁぁぁーーー!!!ごめんなさいっ!ごめんなさぁあいッッッ!!!こんな事なら素直に冒険者なんて引退しておくべきだったよッ!くうぅ……ボクはなんで意地張って続けるなんて言ったんだッ!?って、コラッ!パパっ!なにそんな満足そうに頷いてるんだいっ!?ママがピンチ!ピンチだからッ!やっぱりボク1人じゃ無理だったから早く助けてよぉおおおおーーー!!!早くしてくれないと今夜の晩御飯抜きにするよ!いいのッ!?……はぁ……はぁ……うぅ……な、泣いてないから……ぐずっ……泣いてないからね……ずびっ……ボクもう6児の母親だよ?それなりにいい歳なんだよ?そのボクが、無様に、泣き顔を晒すわけ、ないじゃないか……んぅ……子供たちには……言わないでね……ぐすん……」








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