第2話私を信じて
☆★☆
その後、さまざまな注文をされ、御堂は恍惚とした顔で、
「……私、はじめて灰崎君と友達になれたことに感謝している……」
「それ、僕の前で言っちゃうの…」
「アハハハハ……、細かいことは気にしないの! ところでさ、なんで灰崎君、声マネしているんだっけ?」
「御堂が言い出したんじゃないか……。なんで忘れているんだよ。 文化祭の出し物で出すんだろ? しっかりしてくれ」
注意すると、その黒い艶のある肩までかかったロングヘアをクルクルと手で巻きながら、思い出したように喋った。
「あー、そういえば、そうだったね! 本来の目的を忘れていたよ! ……よし、それじゃあ早速、受付の所に行こう!」
クルリと体を180度回転して、受付に向かおうとする彼女。
慌てて止めた。
「そ、その前に、声マネで具体的に何をするのか、受付に行く前に決めないと」
すると彼女は、僕の言葉が気にいらなかったのか、食い気味に反応してきた。
「……言っとくけどね、受付締め切りまであと一時間だし、もう時間なんてないんだよ。 それに私が何もしていなかったと思う? ……大丈夫! その辺りはもう半分くらい準備し終えているから。だから任せて! 早く受付に行こうよ!」
「まあ、御堂がそういうなら大丈夫……なのか?」
「なんで、疑問形なのよ! 私を信用しなさい。 さあLet’s Go! 返事は?」
「お、おう……」
未だに興奮から覚めていない御堂が、何を準備していたのか。
(というか、本当に準備しているのだろうか?)
不安と期待を抱いて受付場に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます