第26話 君がくれた夢

 葬式を終え、俺はふと彼女と行ったあの古い神社に立ち寄っていた。彼女が書いた絵馬になんて書いてあったか、気になったからだ。

 彼女の絵馬を手に取ると、俺は泣き崩れたが、すぐに叶汰に連絡をした。

「なあ叶汰、お正月に広崎さんと絵馬を書いたんだけどさ、広崎さんが絵馬になんて書いていたと思う…?」

「元気になりたい…とか?」

「陽介さんとお兄ちゃんが世界一のバッテリーになれますように、って…」

 電話の向こう側で叶汰の泣き声が聞こえた。

「なあ叶汰、この夢、俺らで叶えてやろうぜ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る