さいごに



この半年と少し、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。




このエッセイを書き始めた理由は、私が過去にうつ病の情報が欲しくてもなかなか全体図が見えて来ず、苦労したことがあったからです。


今ではYouTubeで精神科の先生が詳しく説明されている動画や、当事者さんの経験された動画などがたくさんありますが、当事は自分の症状のキーワードを探すので精一杯でした。


うつ病だと頭も回りませんから、この苦しみの終わりも見えなかったのです。




特に仕事の復帰はどれくらいが目安なのかわからず、早い段階で復職しようとして挫折しました。


焦りという症状の厄介さを解っていなかったからですね。




私がうつ病をオープンにしている理由は、元々は社交不安障害のリハビリを兼ねていました。


人に話すこと、話しても大丈夫だということ、怖さは少しづつ慣れていけば落ち着いてくること。


人に自分の話をすることから徹底して逃げてきた私でしたから、それからは話せるようになったり、自分の事情を解ってもらった方が相手も動きやすくなると思い、病気の話をオープンにするようになりました。


心配かけてしまうのではないかと不安になることもあります。


けれど自分の中にある不安に押し潰されて悪化してしまうより、周りの方の力を借りた方がいいのだと学んできました。




病気の話をしても離れていかない友達がいる、それでも一緒の時間を過ごしてくれる、とても心強いことです。


その友達とは高校の頃に出会ったのですが、私が学校でメルトダウンを起こして泣いている時に唯一話を聞こうとしてくれた友達でした。


彼女にとってなんでもないことだったかもしれないあの瞬間を、私は今でも忘れていないし、ずっと感謝し続けることだと思うのです。


彼女のおかげで苦しかった生活が次第に良くなっていきました。


うつ病でも彼女が寄り添って話を聞いてくれるから、自分は大丈夫だと思えていました。




私のうつ病はまだ良くなりません。


けれど心は、うつ病を発症した当事と比べれば随分と変わりました。


自分を過剰に責めなくなりました、対人恐怖が落ち着きました。


まだまだ課題はたくさんあります。


けれど確実に良くなってきていると思うし、この病気の知識もたくさんつきました。


これからも、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、ゆっくりと回復していくのだと思います。


そして寛解することを望んでいます。




この知識を、経験を、想いを、まだ知らぬ誰かに届けたくて、このエッセイを書き始めました。


どうかこの話が誰かの為になること、何か知る為の鍵になりますことを、祈っています。




2023.3/19


RIM

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うつ病 / 精神障害者になった話 RIM @RIM0310

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