発達障害



発達障害とは、まず生まれつきの特性で、それ自体が障害というわけではないことをまず理解していただきたいと思います。


症状があること自体は珍しくないものです。




しかし、その特性によって対人関係や仕事、日常生活などに支障が出る程度と病院で診断された場合、発達障害となるイメージになります。


症状自体は強かったり弱かったりと虹のように曖昧で、スペクトラム状になっています。




ASD 自閉症スペクトラム


自閉スペクトラム症ともいい、自閉症やアスペルガー症候群のことをまとめた名称です。


こだわりの強さや共感性欠如などの影響から、対人関係の問題が多々起こることがあります。


遠まわしの表現が伝わらなかったり、表情などから相手の気持ちが想像できなかったり、言葉の発達が遅い人もいます。


症状の出方は様々で、人によって症状の強さが違いますが、そのような特徴を持っています。




私も幼少期の頃から人と目を自然と合わせることが出来なかったり、人の変化に気付きにくく、人の感情に鈍感でした。


経験したことや怒られたことなどから、一つ一つ学んでいき、あまりにも人の気持ちが解らないために、中学の頃から少女漫画を読んで、人の気持ちを文字で読み取ろうとしていました。


漫画だと主人公の視点からも相手の視点からも同じ場面で気持ちが描かれているからです。




そうやって一つ一つ覚えていき、心理の本や動画なども見ていますが、経験のない場面では臨機応変に対応できないので、今でも対人関係が苦手です。


パターン化しているものを淡々とこなしたり、分析や言語化が得意であるため、趣味も小説を書いたり絵を描いたりというものになりました。




趣味でしている分には大丈夫なのですが、仕事となって人と関わるとグッと負担がかかります。


対人関係で失敗してきた経験も多いので、その経験が負担になるのです。






発達障害では、感覚過敏/感覚鈍麻も起こります。


私の場合は聴覚と視覚が過敏で、疲れ過ぎると耳に幕が張ったようになったり空調の音でも耳に響いたり、視覚は眩しくてサングラスが必要になったりします。


嗅覚や味覚は鈍くて、人より鈍いけれどさほど困らない程度です。


痛みに気づかない時もあり、気付けばアザが出来ていたり、痛みを我慢しすぎる時もあります。




例えば、大人になるまで頭痛がない体質なのかと思っていたら、気付いてみれば頻繁に鈍い頭痛を起こしていて、痛み止めが効くと楽になる、などありました。


痛みを痛みと感じていなくて、目が重くて開けられないとか、だるいと感じるなど、別の症状として実感しているようです。


痛みが出ていると注意力散漫が激しくなるので、頭痛や鈍い腹痛は気付く所から観察して気をつけるようになりました。




ADHD 注意欠陥多動性障害


不注意・多動・衝動、これらの特徴があって日常生活や対人関係などで問題が起きている場合、ADHDと診断されることがあり、薬で症状を抑え込むことが可能です。


コンサータ、ストラテラ、インニチュブがあり、私はストラテラを飲んでいた時期がありました。


私の場合衝動性は低いですが、頭の中の多動や注意力散漫があり、この注意力散漫があるために仕事の電話をとることが難しいのです。


「○○社の○○です」と言われ、「お疲れ様です」と返した瞬間には、どこの誰からの電話だったか飛んでいるのです。


電話とともにメモを取ることも難しく、混乱してしまうので、電話がとても苦手です。




人と話している時にも、直前の会話、もしくはその時ちょうど思い出せた場面しか話題にすることが出来なくて、とても苦労します。


友人相手なら事前にそういったことがあると事前に話しておけるのですが。




注意力が散漫しやすいために、一時記憶して記憶が飛ぶまでが高速なんだと思っています。


薬を飲んで改善したかと言えば、ほんの少しだけ改善しました。




元々胃が弱く、ストラテラの量を増やせなかったのもありますが、鬱もストラテラの影響で改善していたので、体質が合わなかったことが残念でした。


元から私は低血圧症があり、ストラテラとの組み合わせが悪く、頻脈になり、動悸や目眩息切れを起こし、立っていることが辛くなって薬を止めました。


相性が悪かったのだと思います。


起立性調節障害を持っている方は注意が必要です。




注意力散漫の話に戻りますが、この症状があるためにカウンセリングでふと思い出したことを話したり、対人で話題が出せないというデメリットが私にはあります。


話を頭の中で思い出したり、話をまとめてから口に出すことが難しい為です。


事前に「これ話す!」と三つ程まで決めても、忘れる時は忘れてしまうし、覚えていられる時も日によってあります。


私は疲れると注意力散漫が酷くなるのですが、よく休めているとある程度抑えられます。




注意力散漫が強いとどうしても話漏れが発生しますし、会話でも自分が話した情報忘れる為、飛び飛びになってしまいます。


なので、私には他の人の話に乗れるグループカウンセリングや、書きながら話せるスタイルが自分に合っているのです。


中でも文章では読み返しが何度もできるので、書いてまとめる作業が自分には一番合っていると感じます。


多動や多弁が強い人など、話すことの方が楽な人は、1対1のカウンセリングでも困らないと思います。




私は記憶出来ないのではなく、忘れるスピードが早いのだと、自分でも感じています。


単語や名前自体が飛ぶ、もしくは記憶から引っ張り出して来れないことが多発するので、よく諦めて別の言い回しをしているうちに、変に表現力上がりました。


子供に話すように噛み砕いて話すことをイメージして、伝えるように話しています。




物理的な方の注意力散漫もありますが、私の場合は工夫して防げています。


カバンの中の物を変えないとか、位置を決めて使ったらその位置に戻すとか、確認作業を繰り返すとか。


目に見えていないところに仕舞うと場所がわからなくなることもあるので、部屋の中は散らかってしまっているのがまたADHDらしく感じます。


けれど一応、過集中のおかげで片付けはできます。






過集中とは、何時間もひとつの事に集中し続けること。


私の場合は三時間区切りで起こりやすく、飽きない為に疲れすぎてしまったり、時間感覚がわからなくなってしまったりします。


休憩も飲食も睡眠も忘れて作業することもあり、漫画の作業ではよくぶっ続けで描き続けていました。


今はもう体を壊してしまっているので、そんな無茶はしませんが、仕事を始めると手が止められなくて休むことがとても難しいです。






LD



学習障害と呼ばれるもの。


こちらは私は強くないですが、本を読むことや、読みながら口に出す音読、バランスをとってサクサク字を書くことなどが苦手です。


特に音読は学生時代に全然できなくて、すぐつっかえたり噛んだりしてしまいます。


読みながら理解し、口に出すというそれぞれのテンポが違っていて、バランスが悪く、読んで理解することがとても遅いことに、大人になってから気づきました。




小説を読む時は同じ行を何度も読んでしまうことがあるので、栞で読んでいる隣の行を隠して読みやすく工夫しています。


書くのは好きだけれど、本を読むことは時間がかかるので苦手です。




ピアノも弾いていたのですが、音読と同じく、楽譜を読みながら弾くことができなくて、全部暗譜していました。


15年ほどそれで通してしまったので、今でも楽譜を見ながら弾くと、とてもとてもゆっくりになってしまいます。






以上、発達障害についてでした。




私が病院からいただいた診断書では、最初は不安障害、次にうつ病、現在は自閉症スペクトラムと書かれています。


発達障害は併発することも多く、私も三種それぞれの軽い症状ですが、引きずっています。




対人関係やコミュニケーション力の問題が引き金になって、二次障害の不安障害やうつ病などを引き起こしているので、発達障害が軽いからといって決して苦しくない訳ではありません。


逆に、発達障害の症状があっても、それを利用してうまく暮らせていたり、その人の環境が良かったりすれば、苦しみを感じないこともあります。




環境次第で大きく変わってくるので、発達障害の症状を疑ってそれで生活に苦しんでいると感じたなら、環境を変えるか、もしくは発達障害の専門医に診てもらうことをオススメします。

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