温かいお料理とモフモフで、心が癒される一作です!

三十路の料理人ダズリーには、戦災で全てを喪った過去があります。
身を寄せた先の砦で料理人として暮らしつつも、寂しさを紛らわすためなのかベビースモーカーになり、家族との思い出のメニューも作らなくなってしまったダズリー。ある日、お腹を空かせた狐っ子を拾ったことがきっかけで、彼の人生は彩りを取り戻していきます。


まず最初に言わせて下さい。狐っ子ヒナちゃんが可愛らしすぎます!
異国出身ということでカタコトで話したり、時々子狐姿になってしまったりと、見ていて自然と頬が緩んでしまいます。そして尻尾がモフモフ‼︎
そんなヒナちゃんですが、実はとても聡い子です。人の心の機微をちゃんと理解していて、いつしかダズリーの心を癒す存在になっていきます。
二人の心の交流だけでも、一作の魅力としては充分すぎるのではないでしょうか。

それに加え、実際に作ってみたくなるほど美味しそうに描写されるお料理たちや、オーブンに住む火蜥蜴精霊などのほっこりファンタジー設定。そして砦内の様々な人間模様……。

盛りだくさんな魅力に溢れた本作を、ぜひご一読下さい!

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