第3話これから東京都を襲う風俗業界の『理不尽な大きな波』

前回の続きです。


AV新法の話からは少しそれます。現在、東京都の風俗業界にある『理不尽な大きな波』が静かに、そして確実に業界を襲っています。リアルタイムで今、『あるジャンルの風俗店』を東京都は一斉に潰そうと動いてます。すでに大手広告業界や大手出版業界には確実にその話は来ています(だから私に漏れているのです)。それらを利用している方なら『あるジャンルの風俗店』が一軒も掲載されなくなったことに気付くと思います。近い将来皆さんがニュースで知ることになるでしょう。個人的に「コロナ禍だからあの手の業種?」と思いましたが違うようです。


風俗業界は現在、どん底だった時期からはかなり客足も戻っていますがまだまだの状況です。吉原なんかも客足が戻っていると景気のいい話を聞きます。ただ格安店と高級店が回復の兆しを見せてますがやはりコロナ禍前同様その中間の価格帯であるお店は苦戦していると。


ちなみに私が今、風俗店を買うならソープランドを買い取り、その許可をヘルスの許可に変更し、ハコでの営業が許される許可店のヘルスを一番に考えます。ただ、ソープランドを買い取る(こういう話は専門のブローカーからくるのがほとんどです)場合、一般的な許可店のヘルスとは違います。少なくとも吉原なんかは一軒の店に三人のオーナーが存在するのが常識だったと思います。


・土地のオーナー


・建物のオーナー


・営業権のオーナー


その三つを抑えないと話がこじれます。


さて、先日、国を相手取ったデリヘル業者の裁判の判決が出ました。コロナでの持続化給付金が性風俗事業者が対象外とされたことを「差別」だと主張した案件です。今の性風俗業界は昔と違ってスタッフは大学生が普通に就職する業界になりました。昔は新聞の三行広告を見てや紹介で働くのがほとんどでした。届け出制度もありませんでしたので数少ない許可店以外は違法店が数多く営業していたのが現実です。昔は他店の素晴らしいアイデアを真似することはありませんでした。暗黙の了解があったからだと思います。今の業界はとにかく(繁盛している)他店の仕組みを真似して激安価格でやるのが主流です。実際にそういう店やグループは多いです。カクヨムでは削除となりました『パズルボーイ』でリアルに書きましたが、モデルとなった昔から勝ち続ける店やグループのオーナー様がたはすべからく『国に頼る』考えはなかったように見えます。性風俗店は正確に表現するなら『人材派遣業』であり、そこで働く女性たちは一人ひとりが個人事業主です。その辺は理解されてる方がほとんどだと思います。そして原告側は「納税はしている」と主張してましたが私の知りうる限り『営業初月から納税している店』は一軒のみです(そこのオーナー様も『こういう商売で国に頼ったら終わりですよ』とおっしゃってました。昔の時代から勝ち続けた風俗野郎のプライドからの発言だと思いました)。


では百歩譲って原告の主張を認めたとして。その後の考えられる可能性とは。


デリヘル業者は所轄の生活安全課へ提出する届け出確認証に店名をいくつでも書けるんです。電話回線の数だけ店名を書くことも普通にあります。店名と電話番号を変えて電話したら同じ店で女性も同じってことはよくあります。じゃあ店名一つにつき一事業所と換算するのでしょうか。そうなると店名と電話番号だけは提出しているが営業実態のない屋号も多数出てくると思います。そういうことを考えるとそもそも無理がある話だと思います。また、原告側は代理人が原告の主張をすべて代わりに発信していますが「職業を貶められた」、「差別された」、「職業には貴賤がある」、「まともな職業ではないのだそうです」、「世の中から後ろ指を指されている」など。少なくとも私はそれが当たり前だと思います。アダルト産業は最下層で最底辺で高貴な職業であるべきだと思ってますし、そういうプライドを持たれた方を多く見てきました。コロナ禍前は脱サラして大金を手にしたい方がこの業界へチャレンジしてくることが多かったと思います。どうしても保証をというなら。


『開業初月で資金繰りが大変であり、成功するかもまったく見えない状況の時からしっかりとごまかさずに納税をしてきた』ことを証明し、『グレーな領収書も一切ない』ことを証明し、『領収書が出ない金銭の流れもしっかりと説明できる』ことを証明する、が最低でも条件になると思いますしそれをクリアできるなら主張するのもいいと思います。


このエッセイの本題は『AV新法について』です。次回で終わります。

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