第6話

 仁枝は宇宙服を脱ぎ捨てた場所に戻ると、ヘルメットを抱え持った。

 そうして、ハムスターたちを刺激しないように、ゆっくりと巣穴へ近付いた。 


「巨大生物がこっちに来るぞ。何か持って」

「何するつもりだ?」 

 ハムスターたちに緊張が走った。


 仁枝は巣穴への出入り口にヘルメットを置いた。

 そうすることで、巣穴への水の侵入を防げると思ったからだ。


「水が侵入して来ない。何がどうなってる?」

「巨大生物が持っていた物を出入り口に被せたら、水の侵入がなくなった」

「と言うことは、巨大生物は我々を助けてくれたのか?」

「そう言うことになるな」

「そうだとしてどうする?」

「とりあえず、大水が襲っている間は何も出来ない」

「大水が止まるまで、また様子を見るか」

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