140字

惜夏祭

 遠くに聞こえる祭囃子。目の前の薪が爆ぜる音。篝火が齎す熱風と、人波を抜ける涼風に胸が締め付けられる。暑さに辟易していたはずなのに、晩夏の祭りの熱さに胸を焦がす。まだやり残したことがあるような。

「また来よう」

 隣の貴方が言う。来年に繰越か。約束するというのなら、それでもいいのかも。


―・―・―・―・―・―

『第2回140字小説コンテスト はのコン feat. 暇割レ夏』参加

テーマ:来夏

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