戻らない時間

ミルク

戻らない時間


私には想いを寄せている人がいた。

それは幼稚園から付き合いのある幼馴染みだ。

最初は、自分をさらけ出せる親友としか思っていなかった。しかし、年齢を重ねるにつれ彼に対して恋心を抱いていることに気が付いた。


自分の気持ちを伝えようとしたが、若かったせいか、プライドが高かったせいか、伝えることができなかった。今思えば、振られて元の関係に戻れなくなることが怖かっただけなのかもしれない。 

結局、気持ちを伝えられないまま高校、大学を卒業し、社会人となった。

ある日、一通のメールが届いた。 彼からだ。

「結婚を前提にお付き合いをしている彼女が出来た。」

私は

「よかったね!おめでとう!!」

と返信をした。

しかし、言葉とは裏腹に私の目からは自然と涙がこぼれていた。


「あの時素直になっていたら…」


時間は戻らない。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

戻らない時間 ミルク @miruku369

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ