第4話 続・魔王会談

 四人の魔王達は、打ち合わせを続けていた。

 作戦自体の内容は…サクヤを魔王軍の総力で元の世界に送還する。

 …というのが目的なんだけど、ただ帰る為の送還の儀をするというだけでは乗っては来ないと考えた魔王達は策を弄した。


 「人間は強欲な生き物です。 彼がどうかは知りませんが…この宝の前では、恐らく頷かせる事が出来るでしょう。」


 目の前には、マーデルリアの資産と三魔王の資産が山積みにされていた。

 三魔王達の内…地と空の魔王は一度は渋ったが、自分の命が掛かっていると思うと了承したのである。

 失った物は、また集めれば良いと…。

 魔族の優位は、強さは勿論…その宝の量でも決まるのだが?

 作戦はこうだった。

 目の前の宝を差し出して要求をし、送還を行なって帰還するという作戦だった。

 ただ送還をすると言うだけでは聞き入れては貰えないと思っての行動である。

 四魔王もまだ死にたくは無くて必死なのだった。


 「そして四魔王が赴いてから誠意を見せれば、考えも通るだろう!」

 「魔王軍側の魔王が一同に進言すれば!」

 「その他の質疑応答は完璧です! 対策はシミュレーションしました!」


 四魔王達の作戦は…一見みると完璧だと本人達は言うが、実は結構穴だらけだった。

 

 「他に彼が欲しがりそうな物はないでしょうか?」

 「あるとすれば…聖剣や魔剣や神剣の類か?」

 「この世界に召喚された勇者が手にするという…アレか?」

 「だが確かあれは…デスカイアの住処に無かったか?」

 「あ…我を倒した時に手に入れるというアレか! 必要なら持って来よう!」

 「魔王なのに聖剣を触れるのか?」

 「台座ごと持って来ればいい話だ。 魔剣は…マーデルリア様の宝物庫にありましたね?」

 「だがあれは…父の形見。」

 「命とどっちが大事ですか?」

 「わかった、進呈しよう…と、先程言っていたが、神剣なんていうのもあるのか?」


 マーデルリアは神剣の事までは知らなかった。

 神剣は確かに存在するらしいのだが、名称だけで所在までは誰も知らなかった。


 「無い物を渡す訳にはいかぬしな…誰か所在は分かるか?」

 「伝承では、神の神殿に眠るという話ですが…神の神殿という場所が分かり兼ねます。」

 「仮に見つかっても…我等は入れぬだろうしな。 聖剣と魔剣で良しとしてもらおう。」

 「これで全ての材料が揃った! あとは、サクヤ・シラヌイと交渉するとしよう!」


 マーデルリアは遠見の術を使用した。

 すると…草原を歩ているサクヤ・シラヌイと人間の女を発見した。

 

 四魔王は、魔力で財宝を持ち上げると…サクヤの居る場所まで転移した。

 はてさて…四魔王達の作戦は上手く行くのだろうか?

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