第8話恭介の為に、募金を頑張る未来

未来は会社に自分で作った

募金箱を置いた。

一応、警察にお金の事なので

色々、聞いて許可を貰った。


「課長、24時間のチャリティー

番組に持って行く募金箱を

置きたいんですけど一応許可も

取ってます、任意なんで良い

でしょうか?」


(駄目と言っても聞く上谷じゃ

無いな?ここはO.Kに、しとこう)


「あ~いいよ、良い事だからな~」


「ありがとうございます」


と言って未来は募金箱を課長の

前に差し出した。


「任意だよな?」


「はいっ!」


と言って、又グイット近付ける。

課長は募金をしてくれた?

さされた。


「みなさん募金、協力お願いします」


会社のみんなは、嫌と言う程

未来を見て来たので募金をしてくれた。

果たして、これは任意なのか。

でも未来は強要をしてないので

任意だろう。

ランチタイム

五月達に事情を説明して協力を

して貰う。


「そんな事なら、力を貸すよ!」


「うん、良い事だもんね」


「私達も何か世の中の役に

立たないとね!」


そして順調に募金は集まっていった。


「でも24時間、寝ずにするんだよ?

大変だよね?」


「本当、普段も忙しいのに感心

するね!」


「未来、恭介さんに励ましの

ラインして、あげなよ!」


「私?」


「そうだよ!他に誰が居るの?」


(何て送ればいいんだろう?)


そういう所は全然、駄目な未来

だった。

その夜、未来は家で携帯と

にらめっこしていた。

そして


(桜庭さん頑張ってるんだから

ライン送ろう!)


そう決めてラインを送る事にした。


《桜庭さん、24時間のチャリティー

番組は生放送なんでしょう?

一睡も、しなくて身体は大丈夫

ですか?日頃から毎日、忙しい

peaceの、皆さんだけに身体が

心配です。でもテレビから

応援してます。募金も、だいぶ

集まりました!当日、持って

行きます。桜庭さん達には会えない

でしょうけど必ず持って行きます。

何かの、お役に立ててください。

頑張ってくださいね》


送信と!

その頃、恭介は打ち合わせ等で

忙しかった。

未来から、まさかのラインが

来るとは知らずに。

返事を待っていた未来だが来ないので、

諦めて寝る事にした。

深夜、家に帰った恭介。

携帯を見るとラインが入っていた。


(誰だろう?えっ!未来!)


そして、慌ててラインを見る。


(やった~未来、俺、頑張るよ!)


すぐに返信した。


《未来ちゃん、もう寝てるかな?忙しくて

今ライン見たよ!募金、集めてくれて、

ありがとう!

未来ちゃんが、応援してくれると俺、

1週間位、寝なくても頑張れ

そうだよ!ありがとう。

全力で頑張るよ!世の中の困ってる

人達の為にも!》


翌朝、ラインを見た未来。


(1週間?又、大げさな!でも

頑張ってるんだね、こんな時

peaceの力は大きいよ!頑張って!)


そう素直に思った。

放送は土曜、日曜だったので未来達は

会社が休みだった。

未来の家に全員、集まって見る事に

した。


「始まるね!」


「うん」


「今年のメインパーソナリティはpeaceの

みなさんです」


キャーと会場から、ものすごい

声援が送られる。


「やっぱりpeaceって人気あるね!」


「本当、会えたのが嘘みたい!」


黙って見る未来。

でも目の前には、ちゃんとプリンが

置いてある。


「未来、そのプリンどうするの?」


「CMの間に食べるの!」


「へぇ~」


少々、未来が何を、しようと

動じない3人だった。

そしてテレビを見ている4人。

すると恭介が障害者の施設を

訪問していた。

そして、ある1人の少女と触れ合う。

だが、その子は、話す事が出来ない。

手話と筆記で、コミュニケーションを

とっている。

すると恭介が手話で、その少女と

会話をしだした。

テレビなので、少女の手話も自分の

手話も言葉に恭介が、してくれる。


「え~っ!恭介さん手話出来るの?」


「未来、知ってた?」


「知らなかった」


未来は


(桜庭さん、いつの間に、もしかして

今回の為に覚えたの?)


手話をしながら会話をしていると

少女から笑みが、こぼれた。

未来は胸が熱くなった。


(凄いな!私なんて募金を集める事

しか出来なかったのに、手話迄

覚えるなんて、桜庭さん凄いよ!)


4人はテレビを録画にして募金を

持って行った。


「ありがとうございます!」


とボランティアの人の声。

深々と頭を下げてくれる。


(みんな、凄いな!人の為に

人は、こんなに頑張れるんだ!)


未来は感動した。

家に帰って再びテレビを見る4人。

深夜にも、なると睡魔が襲って来る。


「寝ちゃ~駄目だよ!peaceの

みんなも眠いのに頑張ってるんだよ!」


と未来が言うが、みんな寝てしまった。

又録画にして、未来も寝てしまった。

翌朝


(ハッ!寝てしまった、テレビ、

テレビ、やってる、みんな眠い

だろうな?)


peaceのメンバーは沢山の障害を

持つ人や世界中の難民キャンプを

見たりして眠さより辛さが勝って

いた。

未来もテレビを見る。


(世の中には、こんなに障害を

持っている人が居るんだ!

世界には、もっと沢山!でも

みんな、元気でたくましい!

私達の方が負けてるな?)


そう思いながらテレビを見る。


「おはよ~」


と3人が起きて来た。


「あれ?未来泣いてる?」


「ううん、ちょっと見てると

辛くなって来て、信長様なら

こういう時どうするんだろう?」


「出た!信長!」


「信長様だってば~」


テレビを見終わった4人。


「世の中には、本当に色んな人が

居るよね!」


「でも、みんな前向きだよね!」


「障害者と思ってるのは私達だけで

本人達は、そんな事全然思って

無いよね?むしろ私達より前向きだよ!」


「そうだね!それに、それを、お世話

するボランティアの人、凄いよね!」


そして未来が言い出した。


「私も何か、する!手話を習いに

行く!」


「それじゃあ、恭介さんに教えて

貰ったら?」


「駄目!桜庭さんは忙しいから

習える所を自分で探すよ!」


「うん、良い事だね、未来、頑張れ!」


「でも未来、今日、恭介さんに

お疲れ様のライン位するんだよ!」


「うん!」


みんな明日から仕事なので帰って

行った。

未来はラインで


《桜庭さん、お疲れ様です。感動しました!桜庭さん、手話が出来るんですね!

私も手話を習いに行こうと思います。

今日は、ゆっくり休んでください。

お疲れ様です》


送信と。

収録が終わって楽屋で着替える

peaceのメンバー達。


「お~い、恭介ラインだぞ!」


「お~誰?」


「誰だ?あのOLか?」


「あっ!本当だ、未来からだ!」


恭介は、ラインを見る。

嬉しそうな表情で


「未来、手話習いに行くんだって!」


「えっ!恭介の影響?」


「そうだな、あの子は、しゃべらない

方が、いいな!しゃべると危ない!」


「本当、本当!」


と笑うメンバー達。

恭介は嬉しかった。

自分のした仕事で人に影響を

与える事を今ヒシヒシと感じて

いるからだ。

そして未来は携帯で手話が習える

所を探していた。


(有った!ここなら家から近いし

明日、電話してみよう!)


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