第6話 誰にも言えないけれど

「ただ男子の欲望なだけじゃない…ミステリーというより」


「言われるとおりなんだけど、それだけならさ、誰でもいいって思はない…?」


「…?」

 少し首をかしげて考えている。


「それだけならさ、タイプの女の子のじゃなくて誰の服装だっていいんだよ…」


「…」


「そのタイプの女の子のそんな姿が見たいっていうのはさ…なんでだと思う…?」


「言わせる…?」


「ミステリーだよね…」


「あのさ…、そのタイプの女性が好きというのと、かわいい服を着た女性が好きというのをね…」


「うん…」


「別にしないの」


「別じゃないの…? その子が好きだ、かわいい服も好き…。これって別だよね」


「別じゃないの。2倍だよ、

 2倍嬉しいんだよ。

 好きなタイプの女の子だし、プラスその女の子のかわいい服装。

 つまりただの欲望の2倍なだけでしょう…」


「2倍…」


「2倍の欲望…。その夢がかなったのが、

 タイプの女性にかわいい服装…。

 欲望が倍…」


「いや、あの、そこは欲望というより本能と言って欲しいんだけれど…」


「話、もどるよ…」

「もどるね…」


「理沙の写真撮りたい…欲しい…」


「この流れでくる…?」


「どの女子の写真でもいいというわけではないんだ。理沙のがいいんだ。本能かもしれないけれど、自然にそうなったのかもしれないけれど…」


「すっごい深い話しから、思いっきりあっさい話しになった感じがする…」


「僕もそう思う…」


「私の写真が欲しいの…?」


「うん…きっと神様がそう僕に言っているんだ…」


「本能とか神様だす…? ミステリー終わるんじゃなかった…?」


「終わる…、でも欲しい、フリフリ着てとは言わないよ」


「当たり前でしょう!」


「普通のがいい…」


「当たり前でしょう!」


 スマホをかまえる僕。


 思いっきり頬を膨らませる理沙。


「かわいい理沙の画像が欲しかったのに…」


「撮らせてあげただけでも感謝して欲しいけれどね」


 実はこっちのほうが理沙らしくて好きなんだけれどね…。

 誰にも言えないけれど…。


         了

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理沙との会話(ミステリーに絡めて) @J2130

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