星に願う

A「すっげ……」

B「やっぱここはよく見えるねぇ」

A「屋上がこんなにいいスポットだなんてよく知ってたな」

B「ふふん。深夜の学校は灯りも無いし、特にここはグラウンドも広くて住宅街の灯りからも離れてる。少し考えれば分かることだよワトソン君」

A「誰がワトソンだよ。ホームズ気取りか?」

B「えーいいじゃんノリ悪いなぁ。そんなんじゃ彼女できないぞぉ」

A「ほっとけ!俺は彼女欲しいと思ってないからいいんだよ」

B「ふーん……そっか」

A「んで?流星群っていつ来るんだ?」

B「もうすぐだと思うよ。10時頃ってニュースで見たし」

A「……もう10時過ぎてるぞ?」

B「え?うそ!?」

A「見逃した……は無いか」

B「ずっと見上げてたんだからそれは無いでしょ」

A「もしかしたら高さが足りないのかもな」

B「高さ?」

A「ほらこういう天体観測的なヤツって山登ったりしてやるだろ?」

B「あちゃ~やっちゃったかなぁ」

A「かもな……あっ!」

B「流れ星!よかったぁ……ちゃんと見れた」

A「流星群な。でも、本当に良かった」

B「ねぇ。どんなお願い事したの?」

A「言わねぇよ」

B「やっぱり彼女欲しいって願ったんでしょ」

A「残念違いまーす」

A「お前との時間が一番だし……」

B「え?それってどういう――」

A「気づけバカ」

B「ふふふ……私はね、君とずっと一緒にいられますようにってお願いしたよ」

A「そりゃ奇遇だな。俺もだよ」

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